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投稿日:2025.6.9

受け口は矯正のみ手術なしでも治るの?

みなさん、こんにちは。
仙台キュア矯正歯科です。

「受け口」という噛み合わせを「しゃくれ」の名でみなさんご存知だとは思いますが
、見た目に影響を及ぼしやすく、さらに身体の健康にも悪影響な噛み合わせです。

見た目のコンプレックスや発音、お食事の咀嚼など日常生活にも支障が出るのでるの
で、治療している方も多いでしょう。

しかし歯科医院で働いていると、意外と受け口や受け口に近い切端咬合の患者さまも
多く、歯並びはきれいに生えているので治療しなかったり、噛み合わせが異常なこと
に気付いていない方もいらっしゃいます。

確かに昔からその噛み合わせで過ごしているとそれが当たり前なので、何が正解で何
が異常かの判断は難しくなるでしょう。

受け口は外科手術が必要で、治療するにはハードルが高いイメージがあるかもしれま
せんが、受け口の状態によっては歯列矯正だけで治る場合もあります。

まずは正常な噛み合わせとの違いを理解し、ご自身の噛み合わせに問題がないか確認
してください。

今回は受け口の治療方法について説明していきますので、是非参考にしてみてくださ
い。

理想の噛み合わせ

歯 綺麗

口元の綺麗さは歯並びで判断されることが多いと思いますが、実は噛み合わせの方が
重要です。
身体のバランスは噛み合わせが整っていないと歪んでくるので、お顔の歪みや頭痛・
肩こり・姿勢の悪さ・腰痛などの不調に繋がります。

若い間は症状が出なくても経年的に影響を及ぼすので、健康的な身体を保つためには
バランスのとれた噛み合わせが必要になります。

歯並びが綺麗でも噛み合わせがズレている場合もあるので、ご自身の口腔内は大丈夫
か確認してみましょう。

1)上顎が下顎を覆っている

歯 痛み

上下顎の奥歯で噛み合わせた時に、上顎の歯が下顎の歯を2㎜程度覆っている状態が
正常です。
受け口や出っ歯の場合は上下のバランスが悪くなるので、噛み合わせがズレてしまう
のです。

2)前歯の噛み合わせ

上下で噛んだ際に前歯の深さが2㎜程度であれば正常です。
しかし浅い場合や反対に深い噛み合わせは、歯や顎関節への負担が大きくなります。

3)口元の状態

理想 横顔 Eライン

口が自然に閉じれなかったり、横から見た時に口元が前方に突出しているような状態
だと、噛み合わせが正常ではないかもしれません。
前歯が通常の位置よりも前に出ていると、口元が出ている「口ゴボ」になりやすく、
口呼吸の可能性が高くなります。

4)全体のバランス

全体的に歯並びのバランスも重要で、左右で歯の本数が異なる場合や、歯と歯の隙間
があると歯並びが悪くなってしまいます。
乳歯の場合は、乳児よりも2倍近い大きさの永久歯が生えてくるので隙間は必要ですが

、永久歯の場合は隙間があると全体のバランスが崩れてしまいます。

もし噛み合わせに問題がある場合は、放置すると歯の喪失率が高くなり、口腔内や体
の健康が失われる原因になります。

受け口とは

受け口 不正咬合

本来は上顎が下顎を覆っていますが、受け口の場合は上顎より下顎が前に出ている噛
み合わせを「受け口(反対咬合)」と言います。

受け口まではいかないが、上下の前歯の切端がカチカチいつも当たっている噛み合わ
せは「切端咬合」と言い、受け口の1歩前の状態になります。

受け口には2つのタイプがあり、原因が異なります。

1)骨格性反対咬合

遺伝 遺伝子

骨格に問題がある受け口で、顎の成長過程で上顎の成長不足や下顎の過成長により、
受け口になってしまうことがあります。
また両親や親戚に受け口の方がいる場合、遺伝的な要因が大きいです。

2)歯槽性反対咬合

歯の位置や生え方が原因で受け口になってしまうことがあります。
上の歯が内側に生え、下の歯が外側に生えた場合、前歯だけ噛み合わせ反対になるケ
ースもあります。

受け口は遺伝性もありますが、生活習慣の癖によって変化します。
悪習癖がある方は、知らぬ間に受け口になってしまう行動をとってしまっているかも
しれません。

「口呼吸」「低位舌」「指しゃぶり」「舌癖」などの癖が習慣になっていると、受け口
だけでなく出っ歯、ガチャ歯の原因になります。
早めの改善は予防に繋がるので、お子様の歯並びが気になる方は行動や癖を見直して
みましょう。

奥歯がしっかり噛み合っていない噛み合わせは、食べ物を細かく砕いて食べることが
困難になります。
あまり噛まずに飲み込むと胃腸に負担がかかるので、消化不良になりやすくなるので
す。

さらに噛み合わせが反対なので、顎の負担が大きく、顎関節症のリスクがかなり大き
くなってしまいます。
顎関節症の発症は日常生活の支障をきたし、体調不良に悩まされる原因になります。

また口が閉じにくいので口呼吸になる方が多く、口呼吸には以下のようなデメリット
があります。
受け口の方だけでなく、口呼吸になっている全ての方が改善すべきポイントです。

・口腔内が乾燥するので細菌が増殖し、虫歯や歯周病のリスクが上がる
・口臭の原因になる
・細菌やウイルスが直接体内に取り込んでしまうので、風邪を引きやすい
・歯並びが乱れる
・いびきや睡眠時無呼吸症候群になりやすく、睡眠の質が下がる
・お口が常に開いている状態なので、下顎が下へと成長し、面長やより受け口に成長
する可能性がある
・お口周りの筋肉が衰えてくるので、ほうれい線やたるみ・シワの原因になる

このように見た目に関する精神的なストレスも大きいと思いますが、身体に関わる深
刻な問題も多いので、放置せずに改善することが望ましいです。

受け口は歯列矯正のみで治せるのか?

痛み 顎

受け口の状態が軽度~中程度の場合は歯列矯正での改善が期待できます。
しかし重度の受け口の場合は骨格異常を生じているケースが多いので、歯列矯正と外
科手術の組み合わせが必要になるでしょう。

外科手術となるとお仕事や学校を数日~数週間休まないといけないことや、高額治療
であることから治療へのハードルが高いと思います。
歯列矯正よりも身近な治療ではないので懸念点が多いですが、骨格に問題がある場合
は根本的に改善しないと噛み合わせの改善と、十分な見た目の変化は見込まれません

□矯正治療で治す場合

ワイヤー 矯正

歯の位置や生え方を歯列矯正で綺麗に並べることで、上下顎の歯並びのバランスが整
い、正常な噛み合わせが期待できます。

また、顎の成長段階のお子様の治療には、顎の成長を促す拡大装置を使用することで
永久歯は並ぶスペースが確保でき、上下顎のバランスが整うので受け口の改善が見込
まれます。

上顎は10歳ごろには80%完成するので、早めに治療を受けないと手遅れになる場合が
あります。
下顎は思春期頃に成長のピークを迎えますが、上顎が正しく成長していると下顎も上
顎に合わせて成長するので、まずは上顎の成長過程でコントロールすることが重要で
す。

子供の内は癖で下顎を前に出したりする子もいるので、正常か異常の判断が難しい場
合もあります。

しかし適齢期に治療を受けなければ身体の成長と共に下顎が大きくなり、受け口が悪
化することがあります。

そうなると外科手術の可能性が高くなるので、負担を軽減するには小児矯正で顎を広
げることが1番です。
子供の時期にしかできない治療なので、噛み合わせが気になる場合は早めに相談に行
きましょう。

□外科手術で治す場合

外科 手術

受け口の手術方法は主に3つあり、状態に応じて選択します。

1)下顎枝矢状分割法

下顎の両側奥歯の奥をカットし、歯が並んでいる部分(下顎体)とエラ部分(下顎枝)と切
り離します。
下顎体を後方に下げて下顎体と下顎枝をボルトで固定します

2)下顎枝垂直骨切り術

下顎枝を縦にカットし、下顎を後方に下げたり、左右に移動することができるので、
顎関節症や顔の歪みも改善できます。

3)下顎前歯部歯槽骨切り術

両側の前から4番目の歯と骨の一部分を取り除き、開いたスペースを後方に下げてチ
タンプレートで固定します。

外科手術は全身麻酔下で行いますが、術後は痛みや腫れを伴い、2週間ほどダウンタイ
ムが発生します。
手術の前後は不安や恐怖による精神的ストレスが大きいと思いますが、それ以上に手
術を受けるメリットが多いです。
・正常な噛み合わせと歯並びになり、顔のバランスが整うので顔貌の変化が大きい
・コンプレックスの解消に繋がる
・虫歯や歯周病・顎関節症のリスクが軽減できる
・手術は口腔内から行うので、手術痕は残らない
・発音が明瞭になる
・よく噛むことができる
・食べすぎや消化不良の予防に繋がる

受け口の放置は本当に身体の負担が大きいので、できるだけ早い段階で治療すること
が、ご自身を守ることになります。

一時の不安よりも一生の健康を重視して、受け口の治療を始めましょう。

受け口が気になる方はいつでもお気軽にお問合せください。

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