投稿日:2024.12.2
怖がる必要はない?矯正中に感じる痛みの原因とその対処法
「矯正治療したい、でも痛いの?」
矯正治療を始めたい、でも痛いと聞くとやっぱりやめようかなと思って何度も躊躇してき
ました。
そんな言葉をよくいただきます。
実際に、痛みに耐えられない方は途中で矯正治療を中断し、辞めてしまう方もいらっしゃ
います。ですが、そういった方はごくわずかです。
殆どの方は耐えられる、我慢できる痛みと言われています。
痛みには、感じ方の個人差があるように思います。女性は痛みに強いと言われており、男
性は痛みに弱いと言われていますが、全くその範囲ではない方も多くいらっしゃいます。
痛みの感じ方は本当に人それぞれなので、必ずしも痛いですよとは言えませんし、痛くな
いですよとも言えないところが感覚値をお伝えする際に難しいところだと感じています。
矯正治療、痛みの原因
では、痛いと言われている矯正治療での痛みの原因は、なんでしょうか?
歯が動くから痛いんでしょ?と思いますよね。実際にはその通りなのですがそれよりもさ
らに踏み込んでみると、歯が動くのはどうしてか?考えたことはありますでしょうか?
・矯正装置で負荷をかけ、歯を一方方向に移動させる
矯正装置では、歯を移動させるべく様々な角度や方向で歯を動かします。
動かす方法は、ワイヤーを使用して引っ張ることや、マウスピースを使用して歯を理想の
位置へ少しずつ押し出していく方法です。
いずれにしても、歯に負荷重をかけて動かします。
・歯根膜が圧迫される、引っぱられる
歯の根の周りには、歯根膜という非常に薄い筋繊維が一周ぐるりと取り囲んでいます。
それが、歯を移動させるための負荷重がかかることで、どこか一方は圧迫され。どこか一
方は引き伸ばされるのです、この時に痛みを感じます。
そしてこの痛みを感じている歯根膜の周囲では次のようなことが起こっています。
・歯槽骨が壊れる、再生する
歯を支えているのは顎の骨ですが、その歯根膜の動きに合わせて顎の骨が破壊されては再
生され、というのを繰り返しているのです。破壊と再生ですね。
歯根膜が押し潰されたところにある歯槽骨は、破壊されて歯が移動できるスペースを作り
ます。歯根膜が引っ張られたところの歯槽骨は、再生されて増殖するのです。
人体の不思議ですね。
こうすることで、歯の移動が進むのです。
痛みを和らげる方法は?
では、歯が動く際の痛みを和らげる方法はあるのでしょうか?
・痛みが強い時は痛み止めを服用する
これは、歯科医院のよっても差がありますが、痛み止めを服用することを推奨している歯
科医院も多くあります。ですが、一部の先生の方針では痛み止めは飲まない方がいいとい
う考え方もあるようなので、主治医に確認した方がいいですね。
・温かいお湯をお口に入れる
お口の中の血行を良くすることで、痛みが和らぐ場合があります。
痛くて辛い時は、なるべく温かいぬるめの飲み物を服用してみることや、ホットアイマス
クをお口元に当てることもいいと言われています。
冷やすのはあまり良くないようなので、冷たい飲み物やアイスクリームは控えるようにし
ましょう。
・体を動かす
意識をほかに移すことも大切です。
軽いウォーキングや、ストレッチなど、血行の良くなることをして体を温めることで、お
口元の血行も良くなります。
・受診する
痛みがあまりにも強烈、部分的に痛い歯があって眠れないほど
というような症状の時には、歯が正常に動いて移動ができていない時に生じる痛みの場合
があります。痛みがあまりにもひどい場合にはすぐに電話で相談か受信をするようにしま
しょう。
矯正装置を交換した後すぐは、痛みが出やすい傾向があります。
ですが、これも歯と歯同士を当てないようにする、硬いものを噛まないようにするなどで
歯をデリケートに扱ってあげることで痛みが強く出ることは殆どありません。
新しい装置に交換したから3~4日が痛みを感じやすいピークとなり、あとは徐々に慣れて
痛みを感じにくくなります。
短期的に感じる痛みって?
・矯正装置を交換してすぐ
矯正装置を交換してすぐの時には、痛みが感じやすくなります。
ワイヤー矯正ではワイヤーを交換した直後、1~2時間以内には痛みを感じる人が多いです
。
マウスピース矯正では、新しいマウスピースを入れる時からすでに痛い、キツすぎる、と
感じる方が多いように思います。
・ワイヤーが当たる、怪我する
ワイヤーが当たって、お口の中の舌や頬の粘膜を怪我してしまうことによって痛みが出る
ことが多いです。ワイヤーが当たって、怪我をする場合にはすぐに歯科医院を受診するよ
うにしましょう。
・ブラケットなどの装置が粘膜に当たる
歯が動いてくると、一定の期間だけやたらと強くぶつかる、擦れるという場所がでてきや
すいです。ですので、そういった時には傷を作る前にワックスなどを使用して当たる部分
の矯正装置を保護することで、怪我の防止に役立ちます。
・噛み合わせが強くなる
歯が移動している最中には、強く噛んでしまう歯が出てきてしまいます。
噛み合わせの調整が必要になるくらい、強く当たってしまう場合もあります。
噛んだ時、歯が触れたときに激痛になってしまうと、歯の神経がダメになってしまい、歯
の神経の治療を行うことになる可能性もありますので、早めに受診しましょう。
・パワーチェーン・ゴム
歯の移動を強化したい場合に、パワーチェーンやゴムを使用して歯に強い負荷重をかける
ことがあります。そうすると、部分的に痛みを感じることがあります。
筆者が矯正治療で痛みを感じたタイミング5選
痛みは、矯正期間中ずっとずっと痛いんだ…と誤解される場合もありますが、実はそんな
ことありません。矯正期間中で耐えなければならない期間、痛みを感じやすい期間を筆者
の体験談を交えてご紹介します。
・矯正装置を装着する前
ワイヤーの矯正装置を装着する前に、奥歯にバンドといって金属の輪を撒かなければなり
ません。そのバンドを巻くために、歯と歯の間にゴムを挿入します。徐々に歯と歯の間が
押し広げられるのがじんわりと痛いです。
それが、最初の痛みの序章です。
・矯正装置を初めて装着した日
ブラケットがあの表面に装着され、一番細いワイヤーが取り付けられます。
これが地味に痛さに変わってくるのです。
・ワイヤーを交換する日(毎月の調整日)
毎月に1回ワイヤーや装置を調整する日があります。
その日は矯正治療の前にたくさん食べたいものを食べて、その日の夜に来る痛みを凌ぎま
す。
・ゴムかけ・パワーチェーン
ゴム掛けやパワーチェーンを使用された日も痛みを感じやすかったです。
・矯正装置の取り外し日
矯正装置(ブラケット)を歯の表面から取り外します。
この時は、痛みも感じますが歯が取れるのではないかという恐怖との戦いでした。
実際にこれで歯が抜けることはありませんので、ご安心ください。この後、保定装置の装
着で経過観察となります。
矯正治療が終わったら?
矯正治療が終わった後、あの痛みは残念ながら忘れてしまいます。
そのように、生きやすいように脳が処理をしてくれていると思うと、人体の不思議をあり
がたく感じます。
矯正治療が終わった後、装置を外してからは保定装置を装着します。
そうして、歯が後戻りしないようにします。この保定装置も長らく装着していると問題は
ありませんが、歯が固定される前に長時間外してたりすると、保定装置を戻すときに、キ
ツくなっていることがありますので、その辺りは十分な装着時間を守って使用してくださ
い。
まとめ
いかがでしたか?矯正治療での痛みはまず大体の方が耐えられます。
そして、痛みを感じても痛み止めがあること、長くは痛みが続かないことを理解していだ
ければ、その後にきれいに並んだ歯が見れた時の達成感で吹き飛んでしまうほどです。
矯正治療を考えているけど、まだ少し怖い。と思っている方はぜひ当院へご相談ください
。こころよりお待ちしております。