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投稿日:2025.2.10

健康保険が適用されるかも?顎変形症の費用につい て

「顎変形症」という言葉を聞いたことはありますか?
顎変形症の治療には健康保険が適用される場合があります。
顎変形症について、保険適用の条件とその費用についてを中心に紹介します。

顎変形症とは?

疑問 考える

顎変形症とは、顔面や顎の骨の異常によって、顎に「咬めない」「発音ができない」といった
機能的な問題がある状態を指します。
顎変形症の主な症状は、次の通りです。
・顎が大きく前に出てしまっている
・顎が大きく後ろに下がっている
・上下の顎の大きさが合わない
・顎が左右にずれている
顎変形症によりおくちの機能に重大な問題がある場合には、顎変形症の治療を行う必要があり
ます。

顎変形症の分類について

顎変形症は、上あごと下あごの位置関係によって分類することができます。
・上顎前突(上顎が前に出ている)
・下顎前突(下顎が前に出ている)
・開咬(上下の前歯が噛み合わない)
・非対称(顔の左右が非対称である)
・上下顎前突(上下の顎が前に出ている)
・下顎後退(下顎が後ろに下がっている)
顎変形症は、軽度〜重度まで症状はさまざまです。

診断によって治療が必要だと判断されることもありますし、一般的な矯正治療で様子をみるこ
ともあります。

「顎変形症」は「顎関節症」とは異なる

カウンセリング 歯科矯正

顎関節症と顎変形症は名前が似ているので混同しがちですが、まったく別の疾患です。
顎関節症の主な症状は、次の通りです。
・顎の痛み
・口が開けづらい
・顎を動かすと音がする
・噛みづらい
顎関節症と顎変形症は別の疾患ではありますが、関係のない疾患ではありません。
顎変形症が原因となって顎関節症を引き起こす場合もありますので、気になる場合には相談し
てみるとよいでしょう。

顎変形症の治療には保険が適用される?

顎変形症の治療を行う場合、健康保険が適用される場合があります。
健康保険適用となるための条件は、次の通りです。
・顎変形症による異常があり、外科手術が必要である
・施設基準を満たす「顎口腔機能診断施設」を受診する
保険適用で矯正治療を受けられるかどうかは、顎変形症の程度によって決まります。
顎変形症の治療はどこでも受けられるものではなく、指定された医療機関でのみ受けることが
可能です。

顎変形症の治療にかかる費用は?

顎変形症の治療にかかる費用に保険が適用される場合、通常の医療費と同様の負担額になりま
す。
しかし、保険診療ではない方法で、顎変形症の治療を行うことも可能です。

それぞれの場合について、詳しく紹介します。

保険適用の場合

保険適用で顎変形症の治療を行う場合、通常の医療費と同じく全体の3割を負担することにな
ります。
おおよその目安として、術前矯正治療を行うために30万円程度かかり、外科手術と入院で
30〜60万円程度かかることが多いです。
全体の治療の合計は、100万円以内に収まる場合がほとんどでしょう。

自由診療(サージェリーファースト)の場合

サージェリーファーストとは、術前矯正治療の期間を短くするための治療方法のことをいいま
す。
見た目が早期に良くなる、治療期間を短縮することができるなどのメリットがあるため希望さ
れる方もいらっしゃいます。
サージェリーファーストは保険適用外となるため、外科手術なしで100〜150万円、外科手術も
含めると全体で200万円以上かかる場合もあります。
顎変形症の治療は高額療養費の対象となる
一般的な矯正治療には高額療養費は適用されませんが、額変形症の場合、高額療養費を適用す
ることができます。
高額療養費とは、1日から月末まで(同月)にかかった医療費の自己負担額が高額である場合
に、一定の金額を超えた分が後に払い戻しされる制度です。
「後から払い戻しされるのであれば、一旦は自分で立て替えないといけないのでは?」と心配
される方もいらっしゃると思います。
事前に申請することで「限度額適用認定証」を発行してもらうことが可能です。
限度額適用認定証があれば、窓口での支払い額を自己負担限度額までに抑えることができます

顎変形症の治療の流れについて

治療 歯

顎変形症の疑いがある場合、どのように治療は進んでいくのでしょうか。
顎変形症の治療の主な流れは、次の通りです。
1.治療相談・検査
2.診断結果・治療計画
3.術前矯正治療
4.顎矯正手術
5.術後矯正治療
6.保定・経過観察
それぞれについて、簡単に紹介します。

1.治療相談・検査

まずは、診察をおこない、かみ合わせなどを確認していきます。
精密な検査として、レントゲン写真やお口の中の写真、歯型の模型などを作製します。

2.診断結果・治療計画

検査の結果をもとに、現状や治療後の予測などをお話します。
治療方法についても検討し、治療内容や装置・治療期間・治療にかかわる注意点なども十分に
理解していただいたうえで治療法を決定していきます。

3.術前矯正治療

一般的に歯列矯正と呼ばれる内容の矯正治療を行います。
術後の噛み合わせの安定化を図るため、そして手術設計を明確にするために歯並びの異常を整
えておきます。

4.顎矯正手術

術前矯正治療が終了したら、顎矯正手術をおこなっていきます。
顎矯正手術は、全身麻酔をしたうえで顎の骨を切って理想的な位置へと移動させる外科手術で
す。

5.術後矯正治療

顎矯正手術が終了したら、再度歯列矯正によって歯並びの微調整を行います。
矯正治療をすると、「後戻り」といって歯並びが元に戻ろうとする生理的な反応が起こります

後戻りを防ぎながら、上下の嚙み合わせを整えるためにも、術後矯正治療は効果的です。

6.保定・経過観察

顎変形症の矯正治療が一通り終わったら、経過観察をします。
顎の位置が定まり後戻りの傾向が見られなくなったら、保定装置へと交換します。
保定・経過観察の期間は人それぞれ違い、状況によっては長くかかる方もいらっしゃいます。

顎矯正手術で顔に傷が残ることはない?

歯 痛み

顎矯正手術を行うことでお顔に傷が残らないか、心配される方もいらっしゃるのではないでし
ょうか。
顎矯正手術は全身麻酔の下でお口の中から行う手術になるため、基本的にはお顔に傷が残るこ
とはありません。
術後はどうしても腫れなどが見られるため、完全に落ち着くまでに数か月かかることもありま
すが、数週間で気にならなくなる場合がほとんどです。
顎矯正手術の主な手術法は、次の通りです。
・下顎骨切り術
・上顎骨切り術
・オトガイ骨切り術
それぞれの骨を切断して移動させたり、不要な骨を削除したりします。
顎変形症かな、と思ったら…
顎変形症の治療が受けられるのか気になる場合には、まずはお気軽にご相談ください。
保険適用で顎変形症の治療を受けられる条件としては、以下の通りです。

・顎に「咬めない」「発音ができない」といった機能的な問題がある
・機能的な問題を回復させるためには外科手術が必要である
・施設基準を満たす「顎口腔機能診断施設」を受診している
・顎の骨の成長が完了している(20代~が理想)
顎変形症の治療は、あくまで生活の質をあげるために行うものです。
顎変形症の治療は必ず手術を伴う治療となりますが、緊急性のある手術ではありません。
手術のリスクやデメリットなどを、ご自身でじっくり考えたうえで治療を受けることをおすす
めします。
顎変形症の治療では、一般的な歯列矯正治療では改善できないような矯正治療が可能になりま
す。
ご自身が顎変形症なのではないかと思われる方は、是非ご相談ください。

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