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投稿日:2024.12.6

歯列矯正で抜かない方法はある?

「歯並びは気になるけれど、抜歯はしたくない……。」
矯正治療を検討している方の中には、抜歯することを躊躇する方もいるのではないでしょうか

矯正治療をしている患者さますべてが抜歯をしているわけではありません。
歯並びの不正が強く、歯が並べるスペースが足りないと判断した場合には、抜歯が検討される
ことがあります。
ただし、歯並びの状態によっては、抜歯以外の方法でスペースを確保することもありますので
、ご紹介します。

矯正治療で抜歯が必要な理由

便宜抜歯 歯列矯正

顎の大きさや歯の大きさには個人差があるため、歯が並ぶスペースが足りない場合、歯並びが
悪くなります。
その場合、歯並びが前後になってしまい、正しい歯列から外れてしまいます。
スペースが足りないところに歯を並べるためには、スペースを確保する必要があります。
多くのスペースが必要な場合には、抜歯が検討されることがあります。

矯正で抜かない方法はあるの?

疑問 考える

矯正で抜歯が検討される場合は、「歯を並べるスペースが足りない場合」です。
そのため、すきっ歯などの方はスペースを確保する必要がないことが多く、抜歯の対象にはな
りません。
歯を動かす範囲は、その患者さまの歯並びによっても異なりますが、すき間を埋めるように歯
を動かすことで歯並びが改善するでしょう。

抜歯をせずに矯正治療をする4つの方法

1 歯と歯の間にやすりをかけるようにわずかに削る

歯を並べるスペースが足りない場合に、抜歯以外の方法では歯と歯の間にやすりをかけて
わずかに削る方法があります。
ただし、削るといっても固いエナメル質を0.1ミリ単位で調整していきます。
歯の健康や寿命に影響がない範囲内でやすりをかけるようにスペースを作ります。
1本では少ないスペースでも、何本もの歯にこの方法を行うことで、歯を動かすスペース
を確保します。
この方法は、加齢などで歯ぐきが下がってしまって、三角のすき間ができている方のすき
間の解消のために適用されることもあります。

2 奥歯より後ろに歯を動かす

従来のワイヤー矯正の場合、一番奥の歯を固定源にするため、その歯より後ろに歯を動か
すことができませんでした。
現在は、アンカースクリューというねじのようなパーツを歯ぐきの埋め込んで、その部分
を固定源にする「インプラント矯正」を併用すると、奥歯より後ろに歯を動かすことがで
きるようになりました。
インプラント矯正を併用すると、動かしたい歯に柔軟に力を加えることができるため、効
率的に歯を動かすこともできます。
奥歯より後ろに歯を動かす場合には、親知らずはトラブルになりやすく、歯並びに影響を
及ぼすことが多いため、抜歯の対象になることが多いでしょう。

3 歯列の拡大

大幅にスペースが必要なケースには向いていませんが、歯列のアーチを拡大することでス
ペースを確保する方法もあります。
大幅に歯列を変えることは難しいため、顔の大きさが変わることもありません。

4 成長途中の場合には、顎の成長を促す

永久歯が生え揃う程度のお子さんは、顎の成長が続いています。
歯並びの不正は、顎の成長が不十分で歯が並ばないことも多いため、顎の成長を促して正
しい位置に永久歯が生えてくるように誘導する方法です。
この方法は、永久歯が生え揃う前の12歳程度までに行える方法ですが、顎の成長も発達途
中のため、歯も顎の柔軟に動きやすい時期です。
大人になってから矯正するより、歯が動きやすく、乳歯の生え変わりに時期から矯正をス
タートすると、抜歯の可能性が低くなります。

矯正治療で抜歯をするメリット

考える 疑問

矯正治療の選択肢が増えているため、歯並びの症状によっては抜歯をしなくても治療がで
きるようになりました。
しかし、歯並びの不正が強い場合や大幅に歯を動かす必要がある場合には、抜歯が必要な
ケースもあります。

・きれいな仕上がりを目指すため

抜歯をせずに無理に歯を並べようとすると、口元が出てしまったり、後戻りの原因になっ
てしまったりすることがあります。
矯正治療の仕上がりをキレイにして、毎日のセルフケアもしやすい事などを考慮すると、
抜歯をした方がよい場合もあります。

・噛み合わせのバランスを整えるため

咀嚼 噛む力

また、噛み合わせのバランスを取るために必要なこともあります。
矯正は、見た目だけでなく噛み合わせのバランスを整えてしっかり噛むことも目的にして
います。
噛み合わせのバランスが崩れてしまうと、口元が緊張して首こりや肩こりが引き起こして
しまうこともあります。
また、顎に負担がかかって顎関節症のリスクが増えてしまったり、咬合関連痛に関係した
りする場合もあります。
そのため、噛み合わせのバランスも考慮した際にスペースが必要な場合には、抜歯が必要
なこともあります。

抜歯が必要になった場合には、患者さまにその理由をお伝えし、治療計画をお話しいたし
ます。
必ず、患者さまが納得してから治療をスタートしますので、ご安心ください。
また、矯正治療前に治療の疑問や質問がありましたら、お気軽にご相談ください。
矯正治療で抜歯をしないデメリット
矯正治療は歯並びによっては抜歯をしなくてもよいですが、抜歯が必要なケースで抜歯を
せずに矯正治療をしたと仮定した場合のデメリットをご紹介します。

・後戻りしやすい

マウスピース 保定装置

十分なスペースがない所に無理に歯を並べると、歯が元の場所に戻ろうとする可能性があ
ります。
歯並びは、生活習慣などのくせでも少しずつ変化するため、スペースが足りない所に歯を
並べると、後戻りしやすくなります。

・歯肉が下がってしまう

歯ぐきが下がる場合には、歯ぐきに負荷がかかっていることが考えられます。
歯肉退縮は、矯正治療で必要以上に強い力がかかった時にも見られる可能性があります。
また、スペースが足りない場所に無理に歯を並べようとすると歯ぐきに負担がかかって、
歯肉退縮が起きる可能性があります。
通常は、歯ぐきで覆われている部分のため、冷たい物がしみやすくなったり、むし歯のリ
スクが高くなったりするため、歯肉が下がることは避けた方がよいため、十分なスペース
を確保することが大切です。

・口元が出てしまう

Eライン 横顔

矯正治療をする際には、横顔の美しさを表すEラインも考慮した上で治療計画を立てます

Eラインは、鼻から顎までを一直線につないだ線で、口元がEライン上か内側に入っている
ことが理想的とされています。
抜歯が必要なケースで無理に歯を並べてしまうと、正面から見た場合には歯が並んでいて
も、口元が出てしまうことがあります。
歯並びや噛み合わせだけでなく、横顔のラインも考慮して矯正治療を行うため、抜歯をせ
ずに矯正治療をすると、口元の出ている感じが気になってしまうことがあります。
・矯正期間が長引いてしまうことがある
十分スペースがない場合には、歯を動かしにくくなります。
そうすると、抜歯をした場合と比較すると治療期間が延びてしまう可能性があります。

【まとめ】

歯 歯列矯正

大切な歯を抜歯することは、抵抗があるかもしれませんが、歯を奥に移動する方法や歯と
歯の間を削る方法などが適用にならない場合には、抜歯が検討されることもあります。
噛み合わせや矯正の仕上がり、矯正後の後戻りなどを防止する上で必要な時には、抜歯が
必要なこともあります。

矯正治療をスタートする前に、抜歯の有無や治療期間など説明をしますので、気になるこ
とは矯正が始まる前に解決できるような時間を設けています。
気になることはどんなことでもよいので、お気軽にご相談ください。

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