投稿日:2025.5.30
歯ぐきが下がる歯肉退縮とは?
こんにちは!仙台キュア矯正歯科です。皆さんは「昔より歯ぐきが下がったかも?」と感じることはありませんか?もしかしたら歯肉退縮がおきてるかもしれません。
目次
歯肉退縮
歯肉退縮とは歯の周りの歯ぐきが減り、本来歯ぐきに隠れていた歯根が露出した状態のことをいいます。見た目が悪くなるだけでなく、歯やその周囲にさまざまな症状を引き起こすため注意が必要です。 歯肉が退縮すると、歯ぐきと歯の間に”すきま”ができ、お口の問題の原因となる細菌感染しやすくなります。 治療しないままそのまま放置すると、歯の周りの組織と骨構造が損傷して、歯を失いかねません。 歯肉退縮は多くの方に起こっているお口の病気です。
歯肉退縮の原因は?
歯周病
歯肉退縮の主な原因は歯周病です。歯周病とは、歯ぐきに細菌感染が起こり、歯ぐきが腫れたり出血したりなど炎症症状がみられ、進行すると歯を支えている骨を溶かしてしまう病気です。そんな歯周病では、歯ぐきの炎症が起こり、歯ぐきが下がっていきます。歯周病の初期段階では、歯ぐきが赤くなる、腫れ、血が出る、口臭などがあげられます。初期の段階では痛みを感じないので、本人が歯周病と気づくまで時間がかかることがあります。歯周病が進行していくと歯ぐきが退縮していき、歯が動揺してきて、最終的には抜け落ちてしまう怖い病気です。歯垢は1gあたり(1円玉1枚と同じ重さ)1,000億もの細菌が含まれているといわれており、これは大腸の細菌数とほぼ同じです。唾液1g中には1億個、鼻水1g中には10万個であることから比べても、お口の中の細菌は桁違いに多いことがわかると思います。歯周病を防ぐためには日々の歯磨きで歯垢を適切に除去することが大切です。
ブラッシングの力が強い
毎日歯磨きすると思いますが、ブラッシングの力が強すぎると、エナメル質まで削れてしまったり、歯ぐきを傷めてしまいます。歯ぐきを傷付けることによって歯肉退縮が起こります。普段何気なく磨いていると自分がどのくらいの強さで磨いているかなかなか意識しないかと思います。力を入れて磨くと毛先が広がってしまいきちんとプラークを除去できないので、毛先があまり広がらない程度の弱い圧力で小さく細かく磨いてください。また、ブラッシング圧が強い方は歯ブラシの毛の柔らかさを、かためではなくふつうややわらかめを使うなどの工夫もできます。適切な力で歯磨きすることを心がけましょう。
歯ぎしりなどの習慣
歯ぎしりや食いしばりなどの習癖があると、歯と歯ぐきに過剰な負担がかかります。そうすると、歯や歯周組織に炎症をもたらし、歯肉退縮を引き起こします。夜寝ている間に無自覚に歯ぎしりや食いしばりを行っていることもあります。朝起きて口が疲れているな・こわばっているなと感じる場合や・歯がすり減っている場合、ナイトガード(マウスピース)を歯科医院で作ってもらうといいかもしれません。
歯並びや噛み合わせが悪い
歯並びやかみ合わせに乱れがあると本来歯にかかる力が別の方向にかかるので、特定の歯や歯ぐきに過剰に負担がかかります。その結果、歯肉の退縮につながる可能性があります。特定の歯に集中して力(咬合力)がかかり、その部分の歯茎に負担がかかります。
加齢やたばこ
加齢により、身体が衰えるように歯ぐきも衰えます。お口の中を健康に保つことや、全身を健康に保つことで、加齢による歯肉退縮を遅らせることができる可能性はあります。また、たばこに含まれる一酸化炭素やニコチンは歯ぐきへの血流を悪くします。その結果必要な酸素や栄養の供給が行われないため、歯肉の退縮につながります。また喫煙は歯周病のリスクを高めるため、禁煙を心がけましょう。
矯正治療による歯肉退縮
歯に色々な方向から力が加わり移動するため歯肉退縮を起きる場合があります。歯と歯の間と歯茎の境目に三角形の隙間ができ、隙間が黒く見える状態を「ブラックトライアングル」と言います。歯の形態上、奥歯では起こりにくく前歯にできやすいことが特徴です。ブラックトライアングルは自然に治ることはありません。
ホルモンバランス
女性ホルモンには、特定の歯周病菌を増やしたり歯周組織の炎症を悪化させたりする作用があることから、女性は男性に比べて歯周病にかかりやすいといわれています。そのため、思春期、妊娠期、更年期といったホルモンバランスが変化する時期は、歯肉退縮が起こりやすくなります。とくに、妊娠期は女性ホルモンの分泌が急激に増え、つわりによる歯磨き不足や唾液の分泌量低下によって自浄作用が低下しやすい時期なので注意が必要です。
歯肉退縮が進行すると…
知覚過敏になりやすくなる
・知覚過敏とは…
虫歯や神経の炎症がないにもかかわらず、歯が冷たいものや熱いもの、甘いもの、酸っぱいもの、または歯ブラシなどで触れた時に一時的にしみる、ピリッと痛む症状のことです。正式名称は「象牙質知覚過敏症」といい、歯の表面のエナメル質が摩耗したり、歯茎が下がって象牙質が露出することで起こります。これは歯肉退縮によって最も起こりやすい症状のひとつです。
歯が抜けやすくなる
歯周病などの影響で歯肉退縮が起きている方は、歯肉退縮の症状が進行して顎の骨の吸収も進むと、いよいよ歯が抜け落ちます。歯周病になると、歯ぐきと顎の骨が溶けてしまい、歯を支えきれなくなるのです。
老けて見える
それが歯肉退縮の進行によって歯ぐきが下がると、歯が長くなったように見えるため、見た目も悪くなります。その状態を老けたと感じる人も少なくないかもしれません。
虫歯になりやすい
歯肉退縮して根面(歯の根っこ)が露出した部分はとても虫歯になりやすいです。根面にできた虫歯は、「根面う蝕」と呼ばれ、とても進行が早く、抜歯に至ることも少なくありません。
歯肉退縮にならないために!
まずは、お口の中をきれいに保ちましょう!また適切な方法と自分に合った歯ブラシでブラッシングを行いましょう。ブラッシングの力が強い人は力のコントロールが大切です。歯と歯ぐきの境目を優しく磨くようにしましょう。歯ブラシは鉛筆を持つように持ち、優しい力で小さく細かく動かして磨きましょう。それでも力が入ってしまう場合はやわらかめの歯ブラシを使ってみるのもいいかもしれません。特に矯正中だと、口の中に装置があることで歯磨きが行い辛く、細かいところまで磨くことが難しくなります。普通の歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやワンタフトブラシ(1本ブラシ)などの清掃補助用具を使用することで細かい部分の汚れを落としやすいのでおすすめです。また定期的な歯石除去などのクリーニングをかかりつけの歯医者さんでアプローチしてもらうことをおすすめします。歯肉の状態やプラークや歯石などの歯の汚れを取り除いてもらうことができます。普段の歯磨きでは取り切れない部分もあるので、定期的に歯医者さんに通うと良いでしょう。クリーニングを定期的に受けることでお口の中の環境の改善に繋がります。歯ぎしりや食いしばりがある人は、それらの習癖を意識的に改善する気持ちをもって取り除くことが大切です。歯科医院で夜間用のナイトガード(マウスピース)を作るのもいいかと思います。喫煙は歯周病のリスクを高めるため、禁煙を心がけましょう。歯肉退縮が進行している場合は、口腔外科で歯肉形成術という外科手術で治すこともできます。まずはかかりつけの歯科医院に相談してみましょう。