投稿日:2026.2.9
歯科矯正用アンカースクリューは痛い?メリット・デメリットや注意点とは
みなさん、こんにちは。
仙台キュア矯正歯科です。
歯列矯正ではワイヤー矯正やマウスピース型矯正の種類がありますが、歯を動かすには補
助用具を必要とするケースもあります。
補助用具にもいくつかの種類があり、用途によって使い方やタイミングが異なります。
その中でも今回は「歯列矯正アンカースクリュー」について説明していきます。
あまり聞き馴染みがないとは思いますが、歯の移動効率が良くなるので、メインの矯正装
置と併用する方法です。
矯正治療が難しい症例や非抜歯でも治療ができる可能性が広がるので、患者さまの負担が
軽減できる選択肢が増えます。
歯列矯正アンカースクリューのメリット・デメリットや、痛みの有無についてまとめまし
たので、参考にしてください。
歯列矯正アンカースクリューとは?

歯列矯正アンカースクリューは生体親和性の高い小さいネジを歯槽骨に埋め込み、支点と
なるネジと歯にゴムを引っ掛けて歯を移動させる方法です。
アンカースクリューは直径1~2㎜、長さ6㎜程度でとても小さく、チタン製なので有害性が
少なく、金属アレルギーを引き起こしにくい特徴があります。
日本での普及は2013年頃からと、割と新しい方法ですが、治療効率が上がるので治療期間
の短縮化に繋がります。
アンカースクリューの目的は以下のような場合に使用されます。
1)歯を抜歯したスペースを埋める
2)上下の歯並びを整える
3)特定の歯だけを動かす
4)奥歯を起点とする治療では困難な部位への移動
アンカースクリューを併用する理由で特に一番多いのは、「抜歯したスペースを埋めるた
めに、歯を大きく移動させるとき」です。
矯正治療では歯列が綺麗に並ぶスペースがない場合、前から4番目を抜歯するケースが多
いです。
そして抜歯した隙間を埋めるためには、前歯3本分を後退させる必要があります。
しかし従来の矯正装置では、奥歯を固定源として前歯を後ろに引っ張りますが、綱引きの
ように奥歯が前方に移動する作用も働いてしまうのです。
一気に3本分の前歯を移動させると、その分奥歯の負担が大きくなってしまうので、動か
す前歯の本数を分けて後退させます。
一方、アンカースクリューを使用すると、骨に埋入されているので100%動かない固定源と
なり、前歯3本を一度に後退させることができます。
その分治療期間が短縮され、患者さんの負担も軽減されます。
歯科矯正アンカースクリューは痛い?

骨にネジを埋め込むので、インプラントのように大きな手術や強い痛みをイメージしそう
ですが、インプラントとは全く違う方法です。
アンカースクリューの埋入時には局所麻酔は使用するので、痛みを感じることはほとんど
ありません。
麻酔も歯茎の表面にだけ効けば良いので、麻酔の量自体はかなり少量で処置できます。
患者さまによって麻酔の効き方に差があるので、痛みを感じる場合は処置中に麻酔を追加
することはあります。
処置後は痛みや軽い違和感が生じることありますが、2~3日程で歯茎の状態が落ち着くこ
とが多いです。
その後気を付けなければいけないことは細菌感染をしないように、清潔にすることが重要
です。
歯科矯正アンカースクリューのメリット

アンカースクリューを併用すると、以下のようなメリットがあります。
1)非抜歯で治療できるケースがある
従来の矯正治療では、歯を並べるために犬歯の後ろの歯を抜いてその空いたスペースを利用していました。
しかしアンカースクリューは、全ての歯を後方に移動させることができるので、スペース
を作らなくても歯を綺麗に並べることができます。
症例によって異なりますが、抜歯をせずに治療できる可能性があります。
2)従来の治療では難しい症例にも効果がある
アンカースクリューは歯茎に埋入するので、歯列よりも高い位置から歯を自由にコントロ
ールがしやすいです。
重度の出っ歯(上顎前突)の場合は、上顎前歯部を大きく後退させ、重度の受け口(下顎前突)
の場合は、下顎前歯部を後方に下げて口元の突出感を改善します。
歯茎の露出が必要以上に多いガミースマイルは、上顎前歯部を上方に引き上げて歯茎の露
出を抑えることができます。
開咬や重度の叢生などの難しい症例も対応できるので、治療の幅が広がります。
3)治療期間の短縮化
アンカースクリューを固定源にすることで、支えがしっかりしているので歯を効率よく動
かすことができます。
また、従来使用していたヘッドギアなどの補助的な矯正装置を使用せずに済むことも、治
療期間の短縮化に繋がります。
4)手術なしで治療ができる
今まで矯正治療だけでは改善が難しいとされてきた症例でも、アンカースクリューの併用
で歯の動きをより精密にコントロールできるので、外科手術しなくても理想的な結果に期
待できます。
もちろん骨格に問題がある症例など、全ての方が対象ではないですが、歯の向き・位置・
噛み合わせなどに問題があると、アンカースクリューが効果的になる可能性はあります。
5)金属アレルギーが発生しにくい
上記でも述べましたが、アンカースクリューはチタン製なので、金属アレルギーの心配は
少ないと言われています。
チタンは生体適合性に優れており、丈夫で耐食性にも優れているため、インプラントや人
工関節など体内に埋め込むことができるほどの安定性があります。
しかし重度の金属アレルギーの方は、チタンでもアレルギー症状が出る可能性もあるので
、全ての方に適しているわけではないです。
心配な方は矯正歯科医に相談をし、パッチテストを受けてから治療すると安心です。
歯科矯正アンカースクリューのデメリット

アンカースクリューにはいい事ばかりではなく、デメリットもあります。
治療後にデメリットを感じると後悔に繋がるので、治療前に理解しておきましょう。
1)脱落する可能性がある
アンカースクリューは骨に埋入されていますが、外すことを前提としているため、骨にき
ちんと結合されていません。
8~9割は脱落せず成功しますが、骨が薄く柔らかい方や喫煙の習慣がある方、口腔内環境
が良くない方は脱落しやすいと言われています。
仮に脱落した場合、再度埋入する必要があります。
しかし同じ位置に埋入することはできないので、ズラした位置で再埋入を行います。
脱落した部分の穴の回復には数ヵ月の時間が必要になります。
2)歯根を傷つける可能性がある
アンカースクリューを埋入する位置は、歯茎から歯根と歯根の間が多いです。
しかし埋入の際に歯根に当たり、傷つけてしまう可能性もゼロではありません。
顎骨は神経や血管もあるので、損傷すると全身へのリスクも考えられます。
リスクを防ぐために、アンカースクリューの埋入ではレントゲンやCTなどで確認を行う
ことが重要です。
3)炎症や感染を起こすリスクがある
アンカースクリューは完全に埋入されているわけではなく、ゴムを掛けるために頭部分は
口腔内に飛び出しています。
そのためネジの周りに汚れが溜まると、細菌感染を起こし、歯茎や骨が炎症する原因にな
ります。
汚れが残らないように毎日丁寧なケアをして、清潔を保つことが成功のカギになります。
4)後戻りしやすい
アンカースクリューは全ての歯を全体的に動かすことができます。
しかし全てを同じ方向に動かした場合、元に位置に戻ろうと働く力も全て同じ方向なので
、後戻りがしやすいです。
矯正治療が終わっても歯は安定していないので、歯を固定する「保定期間」があります。
保定期間に保定装置を装着することで、後戻りを予防できるので、矯正終了後は少なくと
も1日20時間以上装着することが望ましいです。
まとめ

歯科治療における歯科矯正アンカースクリューについて、ご理解いただけましたか?
一番恐怖や不安を感じるアンカースクリューの埋入は、麻酔の際の痛みや麻酔がきれてから痛みや違和感が生じることはあります。
しかし比較的安全で簡便に装着することができ、治療終了後も傷跡が残ることもないので
安心してください。
費用は2~3万と高いので躊躇してしまいますが、矯正治療にアンカースクリューを併用す
ることで治療の短縮化が期待でき、抜歯をせずに歯列矯正が行える可能性があります。
また従来の矯正治療であれば外科手術との組み合わせが必要だった難しい症例でも、アン
カースクリューで改善するケースもあります。
注意しなければいけない点もあるので、是非参考にしていただければ幸いです。
気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。




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