投稿日:2024.5.13
しみる虫歯の治療
みなさん、こんにちは。
仙台キュア矯正歯科です。
「食事をしていたら、歯がしみた。」
こんな症状があれば、もしかするとむし歯かもしれません。
放置しておくとむし歯が進行してしまい、治療も長引く可能性があるため、早めに処置を
行いましょう。
今回は、歯がしみる原因とむし歯の治療方法、治療後にむし歯がしみる原因を紹介します
。
目次
歯がしみる原因
歯がしみるのは、むし歯の他に知覚過敏症が挙げられます。
2つに分けて詳しく解説しますので、参考にしてください。
むし歯
歯がしみる原因のひとつ目は、むし歯です。
むし歯でしみると、一時的ではなく持続性があったり、何もしていなくてもしみたり、痛
んだりします。
むし歯は細菌感染症のひとつで、4つの条件を満たすと引き起こされやすいとわかってい
ます。
1. 細菌
お口の中にむし歯菌が存在しなければ、むし歯にかかることはありません。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、むし歯菌は存在しておらず、保護者や周りの
大人から細菌感染するとわかっています。
たとえば、スキンシップとしてお口にキスをすると、唾液を介してむし歯菌が親からお子
さんへ移行することがあります。
徐々に、お口の中でむし歯菌が増殖することでむし歯になりやすい環境に変化してしまう
のです。
2. 糖分
2つ目は糖分です。
甘い食べものには「糖」が多く含まれ、むし歯菌は糖が大好物です。
むし歯菌が糖分を分解するときに、酸を生成します。
この酸に歯がさらされることで、溶かされてしまい穴が開いてむし歯になるのです。
特に甘い食べものを好む傾向がある方は、むし歯になりやすいです。
3. 歯質
むし歯になりやすい歯とそうでない歯があるのはご存知ですか?
じつは、生えたばかりの歯や乳歯の表面は、やわらかくて粗いため食べかすが付着しやす
く、酸に溶かされやすい傾向があります。
そのため、歯が生えて間もないころはむし歯になりやすいとわかっています。
歯がしっかり硬く(石灰化)なるまでに、2~4年くらいかかるといわれていますので、特
に注意して歯磨きを行うことが大切です。
歯質を強化するには、「フッ素」を歯に取り入れるのがおすすめです。
歯磨き粉のパッケージにフッ素配合と書かれているものを選択しましょう。
また、歯医者では歯の表面に高濃度のフッ素を塗布してくれます。
フッ素塗布を行うと、「歯質の強化」「むし歯菌の活動の抑制」「再石灰化(初期むし歯
の自然治癒を促す)」といった3つの効果を期待できますよ。
4. 時間
「むし歯菌」「糖分」「歯質」の3つがそろっても、食後に歯磨きをしっかり行えばむし
歯にはなりにくいです。
しかし、おやつをダラダラと食べたり、食後すぐに歯磨きをしなかったりすると、むし歯
になる確率は高まります。
なぜなら、食事を摂るとお口の中が酸性に傾くからです。
歯が酸にさらされる時間が長くなり、さらにむし歯菌が酸を生成すると歯は溶かされやす
い状況にさらされます。
おやつや食事をする際は、どれくらいまでに終えるか、回数などを事前に決めておくとよ
いでしょう。
また、スポーツドリンクや炭酸飲料などには糖分が多く含まれているため、ジュースなど
をダラダラの飲むのも注意が必要です。
知覚過敏症
知覚過敏症は、歯の表面の「エナメル質」が削れたり、歯の根元が露出したりして、内部
の「象牙質」が見えると、しみるなどの自覚症状が引き起ります。
正確には、象牙質知覚過敏症と呼び、エナメル質の下の層が露出することで、歯の神経に
刺激が伝わりやすくなり、痛みやしみるなどの症状が現れます。
以下のような症状があれば、知覚過敏症かもしれません。
・歯ブラシの毛先が歯に当たると痛い
・息を吸うと歯がしみる
・冷たい飲みものを飲むとしみる
・痛みは一時的なもの
むし歯と違ってしみるのは、一瞬や一時的なことが多いです。
知覚過敏は、歯周病や歯ぎしりで引き起こされます。
歯周病になると歯ぐきが下がり、歯の根元(象牙質)が見えるためしみるのです。
歯ぎしりでは、ギリギリと強い力により歯の表面のエナメル質が削れて象牙質が露出する
ことでしみる症状が現れます。
見出し:むし歯の治療方法
むし歯の治療方法をむし歯の進行別にみてみましょう。
C1
歯の表面である「エナメル質」だけにむし歯ができた状態をC1と呼びます。
歯の表面に小さな穴が開いていますが、しみる症状はほとんどありません。
治療では、むし歯に感染した歯質を削った後、歯科用プラスチックを埋めて、光を当てる
ことで固めます。
C2
象牙質まで進行したむし歯で、冷たいものがしみるようになります。
また、歯の表面の穴が大きくなります。
一見穴が小さく見えても、歯の内部で大きく広がっている可能性がありますので、早めに
治療をしましょう。
治療では、むし歯に感染した歯質を削った後、歯科用プラスチックを詰めて固めます。
歯の側面にまでむし歯が進行している場合は、歯の型取りを行い、インレーという詰め物
を製作します。
インレーは、金属やセラミックのタイプから選択できるので、歯科医師と相談しましょう
。
C3
歯の内部にある神経までむし歯が進行した状態です。
ここまでむし歯が進行すると、冷たいものや熱いものに強くしみるようになり、何もして
いなくても痛むようになります。
痛みを我慢できなくなりますので、治療中は麻酔をして行います。
針のように細いファイルという器具を用いて丁寧に感染した歯質や神経を取り除きます。
そして、歯の内部に薬剤をいれて蓋をし、無菌状態にします。
この治療を「根管治療」と呼び、歯を保存することができる最終手段です。
歯の痛みやしみる症状がなくなれば、土台を立てて歯の型取りをします。
被せ物は、金属やセラミックから選択できます。
C4
歯の根っこがほとんど崩壊した状態のむし歯です。
歯の神経は死んでおり、しみることはほとんどありません。
歯の根っこを残せる場合は、C3と同じように根管治療を行った後、被せ物を装着します。
歯の根っこを残せない場合は、抜歯を行い、入れ歯やブリッジ、インプラントで失った歯
の部分を補います。
むし歯の治療をしたのにしみるのはなぜ?
むし歯の治療を行ったのに歯がしみることがあります。
問題がないケースと、再治療が必要になるケースがありますので、参考にしてください。
小見出し:治療後の歯は敏感になっている
むし歯の治療をした後は、神経が敏感になっているため、しみることがあります。
2~3日すると、しみる症状は落ち着きますので安心してください。
麻酔を使用した場合は、麻酔が切れるとしみることがあります。
小見出し:金属は熱を通しやすい
被せ物に金属が使用されている場合は、しみやすい傾向があります。
金属は熱伝導率が高く、セラミック(陶材)や歯科用プラスチックに比べると、温度変化
を感じやすいです。
そのため、食事中にしみると感じる方もいらっしゃいます。
徐々に慣れていきますので、様子をみましょう。
詰め物や被せ物が適合していない
詰め物や被せ物がしっかり合っていないと、しみる可能性があります。
歯と詰め物の間に隙間がある、被せ物の高さが合っていないと、しみたり痛んだりする原
因となりますので、早めに処置をしてもらいましょう。
詰め物や被せ物を削って高さを調整したり、歯の型取りをやり直ししたりして、ぴったり
合う修復物に整えます。
神経が取り残されている
歯の神経を取り除く「根管治療」を行った方でしみることがある場合、神経が取り残され
ている可能性があります。
根管治療は、早い方で1~2回で終えられますが、しみるなどの症状がある方は3~4回以上
かかることも。
また、途中で治療を中断すると、むし歯菌に再感染しやすくなり、痛みやしみるなどの自
覚症状が現れ、最悪の場合は抜歯になります。
根管治療は長くて時間がかかることが多いですが、大切な歯を残すための治療なので、根
気よく最後まで通い続けましょう。