投稿日:2025.5.5
出っ歯だとドライマウスになりやすいってホント?
みなさん、こんにちは。
仙台キュア矯正歯科です。
お口や喉の渇きは気になりませんか?
最近は空気が乾燥しているので、のどが渇きやすいですが、一時的な事なら問題はありま
せん。
しかし常に口腔内が乾燥したり、痛みがある場合は「ドライマウス」かもしれません。
ドライマウスとは、唾液の分泌量が減ってしまうことで口腔内が乾燥してしまう状態のこ
とです。
原因は加齢や病気などの症状として現れますが、実は出っ歯の方もドライマウスになりや
すい傾向があります。
ドライマウスによる悪影響や健康被害は多いので、予防できるなら早いうちから予防する
に越したことはありません。
まずはドライマウスについて理解をすることが重要ですので、詳しく説明していきます。
ドライマウスとは?
ドライマウスとは唾液の分泌量の低下により、口腔内が乾燥する病気で「口腔乾燥症」と
も呼ばれている唾液腺の病気の1つです。
1日の唾液の分泌量は1ℓ~1.5ℓが正常ですが、ドライマウスになると唾液量が半分以下に
減少します。
唾液の分泌量が低下する原因は以下の理由があります。
1) 加齢
2) シェーグレン症候群(自己免疫疾患)や糖尿病などの病気
3) 女性ホルモンの低下・更年期障害
4) ストレスや緊張など心理的要因
5) 薬の副作用
6) 喫煙・飲酒など生活習慣
7) 咀嚼回数の低下
8) 口呼吸
などが挙げられますが、特に加齢によるものが多く50歳以上の女性に多く見られます。
加齢によって唾液を作る唾液腺の機能も60~70歳から徐々に低下していきますが、女性の
場合は加齢に伴い女性ホルモンの減少によって唾液腺が委縮することもドライマウスにな
る原因でしょう。
さらに高齢になると歯の本数が減ってきたり、虫歯や歯周病などで咬み合わせに問題や入
れ歯の適合が悪い場合など、口腔内に何らかのトラブルが多くなるため、咀嚼回数が少な
くなります。
そのため噛む力が衰え、唾液の量が減ることでドライマウスになりやすいです。
若い方でも柔らかい物ばかり食べていると咀嚼回数が少なく、噛む力の低下や唾液の分泌
量の低下に繋がります。
現代はストレス社会であり、人間関係や家事・育児・勉強など精神的に負担を抱えている
方が多いです。
心理的要因でのどの渇きを訴える人が増加していることから、ドライマウスは現代病とも
言えるでしょう。
ではなぜ出っ歯はドライマウスになりやすいのでしょうか。
出っ歯だとドライマウスになりやすい理由は?
高齢者だけでなく若い方でもドライマウスになってしまう原因は「口呼吸」です。
無意識に口で呼吸することによって口腔内の唾液が乾き、水分が失われます。
特に出っ歯は上顎の歯が前方に前突しているので口が閉じにくく、口呼吸になりやすいの
が原因です。
鼻呼吸を心がけることで予防はできますが、根本的な原因である歯並びを改善することで
、ドライマウスの改善も期待できます。
歯並びが悪いと虫歯や歯周病の罹患率が高く、将来的に歯を失うリスクがあります。
歯を失い詰め物や入れ歯を入れると、違和感やトラブルが出やすいので咀嚼能力は劣って
きます。
そうなると咀嚼回数が減ってくるので、唾液の分泌量の低下に繋がり、ドライマウスにな
ってしまいます。
いつまでも一定の唾液の分泌量を保ち、健康であり続けるためには、しっかりお食事がで
きるご自身の歯が必要です。
歯並びは身体の健康に大きく影響するので、歯列矯正で治療することが予防に繋がります
。
ドライマウスの症状
ドライマウスになると以下の症状が現れます。
□口やのどが渇きやすい
唾液がの量が減り乾燥することで、口やのどの渇きが続きます。
パンなどの乾いた食べ物が食べにくく、飲み込みにくさを感じたり、睡眠時も口の渇きで
目が覚めたり、日常生活に影響が出てきます。
口腔内に潤いがなくなることで、粘膜や舌が傷つきやすくなり、口内炎を引き起こしやす
くなります。
□口腔内がネバネバする
唾液は自律神経の働きから分泌されるもので、交感神経と副交感神経のどちらが優位にな
るかで分泌される唾液の質は異なります。
リラックス時の副交感神経が優位になっている状態だと、タンパク質が少なく水分量の多
いサラサラの唾液が分泌されます。
しかし薬の副作用やストレス・緊張で自律神経が乱れると交感神経が優位になり、タンパ
ク質が多く水分量の少ないネバネバ唾液が分泌されます。
□虫歯や歯周病になりやすい
唾液には口腔内の汚れを洗い流す自浄作用やウイルスや菌を撃退する抗菌作用、酸性に傾
いた食後の口腔内を中性に戻す緩衝作用など、重要な働きがたくさんあります。
しかし唾液の分泌量が減少することでそれらの作用が失われるため、細菌が増え虫歯や歯
周病になりやすくなります。
またカビの一種のカンジダ菌も急増するので、口腔カンジダ症や感染症になりやすくなり
、粘膜の痛みの原因になります。
□口臭がきつくなる
口腔内の食べカスなどで嫌気性菌が増え、その毒素として揮発性硫黄化合物が発生するこ
とが口臭の原因になります。
唾液量が減少することで自浄作用がなくなるため、菌が増殖し口臭の発生に繋がります。
□舌のひび割れや痛み
常に乾いていると舌が荒れやすく、ヒリヒリと痛みが出る場合があります。
痛みが悪化すると食べ物を噛むことや飲み込むことが難しくなり、お食事に支障が出る場
合もあります。
□味覚障害
舌の表面には味を感じる細胞の味蕾が存在しますが、乾燥が過剰になってくると味蕾が働
きにくくなります。
そのため、味を感じにくくなるので味覚障害を引き起こす場合もあります。
ドライマウスの予防・対策
ドライマウスにならない為に日常生活を見直し、以下のようなことを意識するだけで予防
は繋がります。
□こまめに水分を取る
基本的にドライマウスは口腔内の乾燥からなる症状なので、できるだけ水分補給を行い、
口腔内が潤うように心がけることが重要です。
しかしアルコールやカフェインが含まれているコーヒーなどは利尿作用があり、尿として
排出されてしまうため、反対に唾液の分泌が低下する原因になるので気をつけましょう。
□口呼吸を改善する
口呼吸は無意識に行っているので気付いていない方も多いと思いますが、口腔内を乾燥さ
せる直接的な原因になります。
安静時の舌の位置は上顎前歯の後方にありますが、口呼吸になると下顎前歯の裏側に下が
ってきます。
両方を意識して改善することで今後、ドライマウスだけでなく身体にとっても良い影響を
もたらします。
歯並びにより口が閉じにくい方や鼻炎などで鼻呼吸が困難な方など、口呼吸になってしま
う根本的な理由がある場合は、先に治療を行うことが口呼吸対策になるでしょう。
□よく噛む
噛むことは唾液の分泌に繋がるので、ドライマウスの予防になります。
ガムを噛むことも効果的ですが、糖分が含まれている物は虫歯になりやすので、キシリト
ールが50%以上配合しているガムを選ぶと同時に高い虫歯予防の効果も期待できます。
□唾液腺マッサージ
唾液の90%は耳下腺・顎下腺・舌下腺から分泌されます。
耳下腺からは副交感神経が優位な時に出るサラサラ唾液が分泌され、食べ物の消化や吸収
の補助に役立ち、若返り成分のある「パロチン」が含まれています。
顎下腺・舌下腺からは交感神経が優位な時に出るネバネバ唾液が分泌され、糖タンパクの
分泌や粘膜をウイルスや菌から保護する役割があります。
マッサージ方法
耳下腺…耳たぶの前に親指以外の4本を当て、上顎の奥歯の方向にゆっくり円を描くように
回します。
顎下腺…輪郭の骨の上にある柔らかい部分に親指以外の4本を当て、顎から耳の下まで指
の腹で優しく押します。
舌下腺…顎下の舌の付け根部分を両手の親指の腹でグッと押し上げます。
これらのマッサージを10回目安に行います。
唾液腺マッサージはそれぞれの唾液腺を刺激することで唾液の分泌が促されるので、入浴
時やリラックス時に行うとより効果的です。
□ドライマウスのケア用品を活用する
保湿剤入りの洗口剤やスプレーは口腔内を潤し、乾燥を防ぐ効果があります。
口腔内全体に広がりやすいですが、流動性があるため手軽に何度もできるスプレーが使い
やすいです。
保湿ジェルも口腔内を潤す効果があり、洗口剤やスプレーと比較すると粘性があるので効
果の持続時間が長いことがメリットです。
ご自身でできるドライマウスの予防や対策をできそうなことから取り入れてみて下さい。
悪化する場合は歯科医院で相談をし、唾液分泌量検査を行ったうえで薬物療法など適切な
治療を受けることも重要です。
また、歯並びが気になる方や歯並びによって口呼吸になっている方はお気軽にご相談くだ
さい。