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投稿日:2025.4.17

前歯に穴が開いたとき、どんな治療をするの?

みなさん、こんにちは。
仙台キュア矯正歯科です。

前歯はご自身でも鏡で確認できるので、虫歯になっているとすぐに気付きやすいです。
さらに外傷で前歯が欠けてしまうことも多いので、前歯のことで受診される方は少なくあ
りません。
もし目立つ前歯に穴が開いてしまったらどのような治療が行われるのでしょうか。
見た目に影響する歯だけに気になる方は多いと思います。
前歯の穴が大きくなればなるほど、治療内容も大きくなっていくので、放置せずに早めの
処置が重要です。
前歯に穴が開く理由や開いた時の治療法を詳しく説明していきます。

どうして前歯に穴が開くの?

歯磨き

前歯に穴が開く原因は、ほとんどが虫歯です。
虫歯になるとすぐに穴があくわけではなく、進行していく過程があります。
その進行度合いで治療内容も異なります。
まず虫歯は3つの要素が重なったときに発生します。

1)細菌

ミュータンス菌が虫歯菌であり、歯垢として歯の表面に付着します。
酸を産生し、歯の成分であるカルシウムやリンなどのミネラルを溶かしていきます。

2)糖質

ガム、お菓子

砂糖など食べ物に含まれている糖分が、ミュータンス菌が酸を作る材料になります。
通常口腔内は中性(pH6.8~7.0)に保たれていますが、食べ物や飲み物が摂取されると酸性
に傾きます。
酸性に傾いても唾液の働きによって30分ほどで中性に戻りますが、ダラダラ食べたり間食
が多いと酸性に傾いている時間が長いので、歯の表面が溶けてしまいます。
お食事の摂り方には注意が必要です。
またpH5.5以下になると歯が溶けてしまうので、酸性度が強い食べ物や飲み物にも気を付
けなければいけません。
例えば、コーラpH2.2、スポーツドリンクpH3.3~3.5、ワインpH4、レモンやお酢も当た
り前に酸性が強いです。
意外なことにスポーツドリンクも頻回摂取は虫歯の原因になりますので、飲み方に気をつ
けて下さい。
酸性のものを摂取した後に水やお茶を飲むと中性に戻りやすくなるので、虫歯予防のため
におすすめです。

3)歯の質

歯の質の強さには個人差があり、歯磨きを1日3回行っていてもすぐに虫歯になる人もいれ
ば、1日1回の歯磨きでも虫歯になったことがない人もいます。
丈夫な歯にはタンパク質やカルシウム、ビタミン(A・C・D)の栄養素が必要です。
さらにフッ素も歯の質を強化するので、虫歯予防には十分な効果があります。
幼少期からのフッ素塗布を行っていると生え変わった永久歯の質はが強くなるので、定期
的に歯科医院でフッ素塗布してもらうことをおすすめします。
乳歯や永久歯の生え始めは弱く虫歯になりやすいので、お食事の仕方や歯磨きには注意し
ましょう。

虫歯の段階

歯、虫歯

歯は表面が体の中で最も硬い組織のエナメル質、その下が骨と同じくらいの硬さの象牙質
・セメント質があり、歯の真ん中に神経が通っている構造です。
強度のある3つの層と神経からできている歯が、どのように虫歯が進行していくのか説明
していきます。
虫歯には4段階あります。

1)初期虫歯(CO)

まだ穴が開いておらず、厳密に言うとまだ虫歯ではないが虫歯になりかけている状態です
。エナメル質が溶けて白く濁っている状態や、奥歯の溝が茶色く変色している状態です
削って治療する必要はないですが、磨き残しが多いと進行してしまうので、歯科医院にて
歯磨きの指導やフッ素塗布をしてもらいましょう。

2)エナメル質の虫歯(C1)

虫歯 細菌

エナメル質の一部分が溶けて穴が開いている状態です。
この段階で虫歯を発見できれば、最小限の治療で済みます。
痛みやしみたりすることはまだないので奥歯は気付きにくく、進行してしまう可能性が高
いです。
しかし前歯はわかりやすいので、気付いたら早めに受診しましょう。

3)象牙質まで到達した虫歯(C2)

虫歯がエナメル質を侵食して内部に広がり、象牙質にまで進行した状態です。
見た目は小さくても、中で広がっているケースもあります。
冷たい物で痛みが感じやすくなります。

4)神経まで到達した虫歯(C3)

歯 虫歯

さらに侵食し、神経まで進行している状態です。
何もしていなくても痛む場合があります。

5)残根状態(C4)

虫歯を放置した結果、歯の頭の部分が崩壊し根っこだけが残った状態です。
すでに神経が死んでしまっているので、痛みが感じなくなっています。
しかし細菌感染を起こし、根っこの先に膿が溜まってくると痛みが出ることもあります。

前歯の治療方法

前歯の治療には2種類の方法があります。

1)コンポジットレジン充填(CR)

コンポジットレジンとは合成樹脂とセラミック粒子で作られたプラスチック素材のことで
す。
まずは虫歯の部分を削って、CRを埋めて光で硬化させます。
硬化したら形や高さを調整し、終了です。
そのためほとんど場合が1日で終わる治療になります。
CRは色の展開もあるので、患者さまの歯の色に近いもので詰めることができ、治療後も
歯に馴染みやすいです。
審美性が高く保険適用で安価に詰めれることや、金属を全く使用していないので金属アレ
ルギーの方にも安心して治療が行えます。
しかし自費のジルコニアやセラミック、銀歯と比較すると強度は劣るので、欠けたりすり
減ってきたりしやすいです。
そのため虫歯の範囲が大きいと適用できないので、軽度の症状のみの場合に治療されます

また吸水性があるので、経年的に変色や劣化する可能性があります。
前歯なので気になる時期がくると、CRを詰め直すか被せ物をするかの2択になります。

2)硬質レジン前装冠またはCAD/CAM冠

歯 綺麗 

前歯の治療の2つ目は被せ物を被せる治療です。
虫歯の範囲が大きかったり、歯が欠けたり折れたりした場合、CRでは修復できない症例に
適用されます。
硬質レジン前装冠とは金属に表側のみに白いプラスチックを張り付けた被せ物になります

中身が金属なので強度はありますが、金属アレルギーの方には不向きです。
見た目は患者様の歯の色味に合わせますが、透明感に欠けるので人によっては少し不自然
さを感じるかもしれません。
CAD/CAM冠とはプラスチックにセラミックの粒子が混ざったハイブリットレジンです。
コンピューターが歯の模型を元にデザインし、四角いブロックを3次元切削機でデザイン
された通りの冠を作製していきます。
最近では金属の高騰により、CAD/CAMの需要が高くなってきています。
金属は使用していないので、裏表白色で患者様の満足度は高いです。
しかし強度は高くないので、欠けたり割れたりすり減ったりする可能性が高いです。
強度を上げるためにCAD/CAM自体の厚みを確保する必要があります。
そのため硬質レジン前装冠の時よりも歯の切削量は多くなります。
両者とも保険適用される前歯の被せ物ですが、CRと同様に吸水性があるので経年的に変色
や劣化する可能性があります。
より審美性と強度を高くするには、自費のジルコニアかセラミックの被せ物がおすすめで
す。
1本10万円ほどしますが、透明感があり、より天然歯に近いクオリティで尚且つ強度も高
いので、口腔ケアをきちんと行っているとかなり長持ちするでしょう。
さらに被せ物の治療をする際にも、2つの方法があります。
1 神経を残して被せる
虫歯や欠けた範囲が象牙質までの場合は、神経を残した上から被せ物を装着することが可
能です。
しかし、切削した後もしみたり痛みがある場合には、神経の治療を行う必要があります。
神経を取り除いた歯は栄養が届かなくなるので、もろくなったり細菌感染しやすくなりま
す。
感染し歯根の先に膿が溜まってしまうと、痛みの原因になりますので、できるだけ神経は
残してる方が歯の寿命は長くなります。

2 神経を取って被せる

歯科検診、虫歯

神経まで到達している場合は何もしていなくても痛みがあるか、それを通り過ぎると神経
が壊死しているので、神経を取る必要があります。
神経の治療には「根管治療」といい、平均して2~3回ほど繰り返し行います。
神経が取れて根っこが綺麗な状態になると、神経の代わりとなるお薬を充填します。

そして前歯の強度を出すために金属の土台を装着し、最後に被せ物を被せると終了します

治療期間は1~2か月ほどかかりますが、受診の間隔が開いてしまうとなかなか根っこが綺
麗になりません。
結果的にさらに治療期間が延びてしまうので、予定通りに治療を受けましょう。

このようにして前歯の治療は行います。
小さい穴でも中で広がっているケースも多いので、虫歯を放置せずに痛みの有無に関わら
ず早めに歯科医院へ行きましょう。

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