投稿日:2025.11.17
受け口で唾液が不足すると問題がある?
こんにちは。仙台キュア矯正歯科です。
受け口とは、反対咬合(はんたいこうごう)や下顎前突症(かがくぜんとつしょう)など
ともいわれる不正咬合のひとつで、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態です。
12歳~20歳の前歯の不正咬合のうち、2.4%が受け口だといわれています。
不正咬合の中での割合はあまり多くはありませんが、成長期の子どもが奥歯の反対咬合を
そのままにしていると、顔が曲がるなどの障害が生じる恐れもあるので注意が必要です。
受け口は、ほかにもさまざまな問題を引き起こすことがあり、その中のひとつに「唾液が
不足する」というトラブルがあります。
受け口の方は、唾液の分泌が減少する傾向にあるのです。
今回は、受け口の方で唾液が不足すると、どのような問題が発生するのかを説明します。
目次
受け口で唾液が不足すると起こる5つの問題

唾液が不足すると、お口だけではなく身体の健康にさまざまな影響が出る可能性がありま
す。
以下の5つは、その代表的な問題です。
1.虫歯になりやすい

唾液にはお口の中の汚れを洗い流す「自浄作用」という働きがあります。
唾液が減少すると、汚れがお口の中に溜まって細菌が繁殖しやすくなり、虫歯が発生し
やすいお口になってしまいます。
2.歯周病が発症しやすい
歯周病は、細菌が歯ぐきに炎症を起こし、歯を支える骨を溶かす病気です。
唾液が不足することで虫歯の原因菌だけではなく歯周病を発生させる細菌も増殖し、歯
周病に感染するリスクが高くなります。
3.口臭が起きやすい

唾液にはお口の中の細菌や食べかすを洗い流す働きがあるため、唾液の量が不足すると、
お口の中に残った食べかすや細菌からにおいが発生し、口臭の原因となります。
4.口内炎になりやすい
唾液には、粘膜を保護する働きもあります。
唾液が不足し、お口の中が乾燥すると口内炎が起こりやすくなるのです。
特に、歯が当たるところは炎症が起こりやすい場所です。
口内炎ができると食事や会話がしにくくなるなど、日常生活に支障をきたすこともありま
す。
5.食べものが嚥下(えんげ)しにくくなる
お口が乾燥すると、食べづらさを感じるようになる方もいらっしゃいます。
唾液が不足することで、食べものを飲み込む際に引っかかりやすくなるのです。
どうして受け口だと唾液が少なくなるの?

それでは、どうして受け口の方は唾液が少なくなるのでしょうか。
それは、受け口のお口の特徴に原因があると考えられます。
通常のお口は、上の歯が下の歯の前に出ますが、受け口の方は下の歯が上の歯よりも前に
出ています。
受け口の状態によっては口が閉じにくくなり、口呼吸になりやすくなることから、お口の
中が乾燥し唾液の分泌が不足してしまうのです。
唾液の5つの働き
唾液には非常に重要な5つの働きがあります。
1.自浄作用
歯の表面に付着した食べカスなどを洗い流し、お口の中を清潔に保ちます。
2.再石灰化
唾液には、ごく初期の虫歯を元の状態に戻す「再石灰化」の働きがあります。
歯の表面のエナメル質が溶けてしまうことを「脱灰」といいます。
「再石灰化」とは、脱灰によって溶けだしたカルシウムやリンを歯に戻して修復する働き
です。
「再石灰化」と「脱灰」のバランスが保たれることで、虫歯になりにくいお口の環境を
作ることが可能です。
3.抗菌作用
唾液には、虫歯菌や歯周病菌の活動を抑える抗菌作用の働きが期待できます。
4.粘膜保護作用
お口の中には、硬い組織である「歯」と、舌や頬などのやわらかい粘膜の組織が同じとこ
ろに存在しています。
粘膜は傷つきやすいため、歯が当たることで炎症を起こし、口内炎ができることがありま
す。
唾液は、潤滑剤のように粘膜を保護する働きもあるのです。
5.消化作用
唾液には、消化を助ける消化酵素(アミラーゼ)という、でんぷんを分解する作用がある
成分が含まれています。
でんぷんは、炭水化物の1種です。
噛めば噛むほど唾液が出るため、でんぷんが含まれるお米やパンなどの消化を助け、胃腸
の負担を軽減することが可能になります。
受け口の治療方法

受け口を治療する歯列矯正を行えば、唾液不足からくるさまざまな問題の改善をめざせま
す。
当院では、受け口の治療に、「ワイヤー矯正」と「マウスピース型矯正装置」、「外科矯
正」をご用意しています。
患者さんのお口の状態やライフスタイルなどを考慮して、適切な治療法をご提案いたしま
すので、どのようなご希望でもお話しください。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは、ブラケットといわれる器具を歯に装着し、そこにワイヤーを通して、
歯を動かしたい方向に適切な力をかけることで歯並びやかみ合わせを整える治療法です。
適応範囲が広く、幅広い歯並びに対応できます。
当院では、歯の表側に装置をつける「表側矯正」のほかに、歯の裏側に装置をつける「裏
側矯正(舌側矯正)」もおすすめしています。
見た目が気になる方や、お仕事の都合上、装置がほかの人に見られるわけにはいかない方
などから選ばれている治療法です。
当院の「裏側矯正(舌側矯正)」では、「セルフライゲーションブラケット」を多く採用
しています。
「セルフライゲーションブラケット」とは、歯周組織に負担をかけないような矯正力で歯
を動きやすくする治療法です。
大人の方でも治療期間を短くすることをめざしています。
マウスピース型矯正装置

マウスピース型矯正装置とは、歯並びを整えるために使用されるプラスチック製の取り外
し可能な装置です。
透明の装置なので、周囲の人に気づかれにくく、今まで矯正治療をためらっていた方でも
始めやすい治療法です。
食事や歯磨きの際には簡単に取り外すことができるので、お口の清潔を保ちやすく、むし
歯や歯周病のリスクを軽減できます。
また、大切なイベントがあるなど、状況に応じて装置を外すことも可能です。
とはいえ、1日に20時間以上装着する必要があり、決められた時間装着できない場合は、思
うような成果がみられないことがあるので注意が必要です。
外科矯正

受け口には2つのタイプがあります。
ひとつは歯の傾きによるもので、もうひとつはもともとの顎の骨格に問題があるものです
。
当院では、顎の骨格自体に問題がある不正咬合の場合、顎の骨に直接アプローチする「外
科矯正」をご提案することがあります。
提携医療機関で外科手術を先に行っていただき、その後に歯列矯正を行う「サージェリー
ファースト」を行っておりますので、重度の受け口の方は一度ご相談ください。
受け口でお悩みの方は「仙台キュア矯正歯科」までご相談を

受け口は、口呼吸を招きやすく、唾液の分泌に影響を与える可能性があります。
唾液不足はお口だけではなく、さまざまな問題を引き起こすことがあるため、問題を根本
から改善するためにも、受け口を治療する歯列矯正を検討してみませんか。
当院ではさまざまな不正咬合に対して、お一人おひとりに合わせた治療法をご提案しています。
矯正専門の歯科クリニックとして、軽度のものから骨格に問題があるような重度の受け口
まで対応しておりますので、受け口にお悩みの方は当院までご相談ください。
初診の方は、24時間受け付け可能なWEB予約が便利です。
※マウスピース型カスタムメイド歯科矯正装置は、日本では完成薬機法対象外の矯正装置
であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。
※矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。




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