投稿日:2025.1.13
受け口の矯正はいつからするべき?
受け口は特徴的な見た目なので、小さなころにからかわれて、コンプレックスになってしまう
ことも少なくありません。
噛み合わせのバランスも崩れてしまうため、機能的にもデメリットの多い歯並びです。
また、骨格のバランスも関係している場合には、お子さんの成長を味方につけた矯正のタイミ
ングができる期間からスタートするのがおすすめです。
そこで今回は、受け口の矯正はいつからするべきかについてご紹介します。
目次
受け口はどのような症状があるの?
受け口は、上下の噛み合わせが逆になっており、下の前歯が上の前歯に覆い被さっている状態
です。
そのため、「反対咬合」といわれています。
横から見ると、口元が目立つことが多く、見た目が気になってしまうこともあります。
受け口の原因
受け口の原因は大きく分けて「歯に由来しているもの」と「骨格に由来しているもの」があり
ます。
歯に由来している場合には、歯並びを整えることで受け口が改善します。
骨格に由来している場合には、歯並びの改善だけでは改善が難しいケースもあり、その場合に
は外科矯正も必要になることがあります
・遺伝
歯の大きさや顎の大きさなどは遺伝します。
そのため、両親のどちらかが受け口の場合には、遺伝する可能性があります。
日本人は顎が小さい傾向にあるため、歯並びがガタガタになりやすいと考えられています。
・日常生活の悪習慣
口呼吸
通常は、鼻で呼吸をする鼻呼吸が正しいのですが、口が閉じにくい場合など口で呼吸する「口
呼吸」になってしまうことがあります。
口呼吸は、口が開いたままになるため、唇からの圧がかかりません。
歯並びは唇を閉じることでバランスを保っていますが、口が開きっぱなしになると、歯並びが
乱れてくる場合があります。
また、唾液には、細菌を洗い流す優秀な働きがありますが、口呼吸をしていると唾液が少なく
なってしまいます。
そうすると、細菌が増殖しやすく、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。
頬杖
学校や職場などで無意識に頬杖をついていませんか?
めずらしいくせではありませんが、同じ方向から力がかかり続けるため、習慣になっていると
歯並びが悪くなったり、噛み合わせのバランスが崩れてしまったりする場合があります。
同じ方ばかりで噛む
噛み合わせのバランスを整えるためには、左右バランス良く噛むことが大切です。
ただし、噛み合わせの不正などでどちらか噛みにくい時には、偏った方ばかりで噛んでしまい
がちです。
また、むし歯などの不具合があると、その場所を避けて噛むようになるので、バランスが悪く
なりやすいです。
お口のバランスを整えるためには、左右バランス良く噛んで食事をするようにしましょう。
舌で歯を押すくせ
お子さんに多いのですが、舌を前に出して歯を押すくせがある場合があります。
習慣的に力がかかり続けると、歯並びが悪くなってしまう悪習癖です。
柔らかい物ばかり食べる
しっかり噛む習慣は、顎の骨の発達を促します。
しかし、ファストフードなどやわらかい物ばかり食べる習慣があると、顎の発達が十分に促さ
れず、歯並びが悪くなってしまう可能性があります。
しっかり噛むためには、バランスの良い食事を心がけ、和食などの根菜類が多い食事を心がけ
ましょう。
何歳ころから治療をスタートしたらよいの?
お子さんの成長期の段階で受け口の治療をすると、顎の骨の成長を味方につけて治療ができる
ため、外科矯正が必要にならないケースが多いです。
お子さんの顎の成長は、永久歯の生え変わりに時期までに完了することが多いため、6~12歳こ
ろが目安です。
ただし、受け口の場合には、下顎の成長は3歳~小学校に低学年程度に発達すると考えられて
います。
通常の矯正治療よりも、少し早い段階でスタートした方が骨格のゆがみが大きくなる前にバラ
ンスを整えることができるので、おすすめです。
お子さんの歯並びや顎の症状に応じて、いつごろからスタートすればよいかご提案いたします
。
このころのお子さんは、顎の骨も柔軟なため、歯も動きやすい特徴があります。
お子さんの時期から受け口をするメリット
・骨格から改善ができる
受け口の方は、歯の大きさと顎の大きさのアンバランスによって不正な歯並びになってい
ることが多いです。
お子さんの場合には、まだ顎の成が続いているので、顎の成長を促しながら、永久歯が正
しい位置にくるように歯並びを整えることができます。
骨格から改善することが可能なので、メリットが大きいです。
永久歯は生え揃った時期は、顎の成長も終わっているため、骨格からの改善は見込めませ
ん。
・悪習癖を改善できる
受け口は遺伝などが原因の場合もありますが、日常生活の悪習慣が原因で受け口になって
いる場合もあります。
頬杖や舌を出すくせ、口呼吸など気づかないうちに行っている悪習慣が受け口につながっ
ていることも。
この悪習慣を放置しておくと、さらに歯並びが悪くなる可能性もあります。
また、矯正治療をした際にもスムーズに進まない場合や後戻りをしてしまう可能性があり
ます。
日常の生活習慣を見直して歯並びが悪くなるくせは改善していきましょう。
・抜歯の可能性を軽減できる
歯が並ぶスペースが足りない場合には、歯と歯の間を少しずつやすりをかけるようにする
「IPR」もしくは「抜歯」が必要です。
しかし、小さいころから矯正をしていると、顎の骨のバランスも整えながら矯正ができる
ため、永久歯が生え揃った段階で矯正治療が終わることもあります。
その後も矯正治療が必要になった場合でも、抜歯をする可能性が低くなります。
・歯医者に通う習慣がつく
矯正治療は一般的に1ヶ月程度で経過観察をします。
その通院期間の中で、お口の中のクリーニングをしたり、患者さまに合った歯磨きの仕方
をお話させていただいたりします。
そのため、定期的に通院する習慣がつきやすく、矯正治療が終わった後も予防で通院する
方が多くなります。
また、患者さまに合った歯磨き方法なども知っているため、お口の中を清潔に保ちやすく
なります。
受け口の矯正治療
・ワイヤー矯正
表側矯正
歯の表面にブラケットをつけて、ワイヤーを通して、適切な力をかけて歯を動かす方法で
す。
歴史のある方法で、多くの矯正歯科で対応しています。
以前は、金属の装置が目立ってしまうことがありましたが、白や透明の審美ブラケットや
審美ワイヤーが選択できるようになって、矯正中の装置の見た目が分かりにくくなりまし
た。
表側矯正は、対応している歯並びが多い特徴もあります。
裏側矯正
裏側矯正は、歯の裏側に装置をつけるため、矯正装置がほとんど見えません。
矯正中の装置の見た目が気になっている方におすすめの方法です。
また、内側に歯を移動しやすいため、受け口や出っ歯などの歯並びに向いている矯正穂違
法です。
マウスピース矯正
患者さまのお口に合わせて、マウスピースを作製し、段階的に形の違うマウスピースに交
換することで歯を動かす方法です。
透明のマウスピースを使用するため、見た目がほとんど分かりにくい特徴があります。
また、取り外しができるため、食事や歯磨きなども今まで通り行うことができます。
ただし、1日20~22時間の装着が必要なため、歯磨きや食事以外の時間は装着する必要が
あるのですが、外している時間が長くなってしまうと治療計画通りに歯が動かない可能性
があります。
【まとめ】
受け口は、見た目のコンプレックスになることが多く、機能的にも問題がある歯並びです
。
骨格に問題がある場合もあり、お子さんのころに改善した方が、顎のバランスも整えなが
ら矯正ができるため、負担を軽減することができます。
当院では、受け口の症例も数多く行っていますので、ご希望の方はお気軽にご相談くださ
い。