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投稿日:2024.8.26

受け口は不正咬合の一種なの?

みなさま、こんにちは。
仙台キュア矯正歯科です。

歯並びや歯列矯正について調べていると「不正咬合(ふせいこうごう)」という単語を目に
することがあり、疑問に思う方も多いと思います。

歯並びが悪く咬み合わせが良くない状態のことを「不正咬合」と呼び、いくつかの種類に
分けられます。

一見歯並びが綺麗でご自身でも気になっていない方でも、実は咬み合わせに異常を生じて
いる可能性があるかもしれません。

1つの例として「受け口」は上顎よりも下顎が前に突出している状態ですが、軽度だと歯
並びは問題なく骨格も見た目は大して気にならない場合がありますが、それでも不正咬合
の一種になります。

不正咬合の種類や不正咬合がもたらす影響などを説明していきましょう。

不正咬合とは?

不正咬合は上記で説明した通り、歯並びや咬み合わせが正常でない状態であり、日本人の
不正咬合の割合は非常に多いです。

不正咬合は歯の生え方だけの問題ではなく、3つの要素から成り立っています。

1) 骨格…上顎と下顎の位置・大きさ
2) 歯槽…上下顎の歯の傾き
3) 機能…上下顎の咬み合わせの状態

これらのバランスが崩れると不正咬合が生じてしまい、顎の発育や咀嚼・発音・顎関節へ
の悪影響が懸念されます。

さらに外見のコンプレックスから心理的に負担をかけることも考えられるので、早めに矯
正治療で改善することが望ましいです。

不正咬合の原因

不正咬合になる原因は遺伝と思われている方も多いと思いますが、実はそれだけではあり
ません。

その原因を理解することで不正咬合の予防に繋がるかもしれませんね。

1.悪習癖

幼少期から日常的に行っている癖がある場合、歯の生え方や顎の成長に影響することが多
く、不正咬合の原因になります。

・指しゃぶり
・口呼吸
・舌癖
・爪を噛む
・頬杖をつく

などを無意識に行うことで歯や顎に一定の力が加わり、力が入った方向に動いていくので
歯並びが崩れてしまいます。

本来歯並びは舌と唇・頬の圧力によってバランスが保たれていますが、悪習癖を行うこと
で不正咬合を進行させる原因にもなります。

矯正治療で不正咬合を治しても、悪習癖が改善していなければ元に戻ってしまうため、ま
ずはこのような癖がないか気付くことが重要です。

2.遺伝

ご両親の顎骨や歯の生え方、大きさなどは遺伝することが多く、不正咬合の種類によって
は遺伝的要因が強いケースもあります。

出っ歯や受け口は遺伝の影響を受けやすいですが、そもそも日本人は顎が小さい傾向にあ
るため、歯が綺麗に並びにくく不正咬合になることが多いです。

3.外部からの影響

虫歯や歯周病・外傷などによって歯を失うと、不正咬合になる場合があります。

歯が失った部分を放置していると、隣の歯が倒れてきたり、対合の歯が出てくるのでバラ
ンスが崩れてしまいます。

歯は並び合うことでお互いにバランスを取っているので、失った部分は放置せず早めの治
療を心掛けましょう。

不正咬合の種類

□叢生(そうせい)

歯の生え方がバラバラで歯列が綺麗なアーチ状ではなく、凹凸が見られる歯並びのことを
指します。

日本人の不正咬合の割合で最も多く、全体の4割を占めています。

八重歯も叢生に含まれており、歯と歯が重なっていたり凹凸があると歯ブラシが届きにく
いため、虫歯や歯周病の罹患率が高いです。

近年は柔らかい食べ物を好み咀嚼回数が少ない傾向にあるので、顎の成長が発達せず、永
久歯が生え揃うスペースが十分にないことが、叢生の原因に繋がります。

□上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎前突は「出っ歯」と呼ばれる歯並びで、上顎の前歯あるいは上顎全体が前方に突出し
ている状態です。

上顎前突の原因は骨格的な遺伝もありますが、悪習癖により上顎だけ過成長したり、反対
に下顎の成長が不十分になることも考えられます。

上顎が突出することで口が閉じにくいため口腔内が乾燥しやすく、虫歯や歯周病・口臭の
リスクが高くなります。

口呼吸にもなりやすく、外の空気が体内に直接入り込むため、ウイルスや細菌が付着し風
邪が引きやすくなるのです。

さらに口呼吸はいびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こすこともあり、身体の健康に影響
することもあります。

□下顎前突(かがくぜんとつ)

下顎前突は「受け口」や「反対咬合」とも呼ばれており、下顎の歯が上顎より前に出てい
る状態です。

上顎前突と同様に骨格的な遺伝もありますが、上顎の前歯が内側に傾斜して生えた場合や
悪習癖が原因で下顎前突になることがあります。

下顎が前に突出しているため咬み合わせは正常ではないので、しっかり食べ物を細かく噛
むことが難しく、胃腸に負担がかかり消化不良になりやすいこと、「サ行」や英語の発音
が不明瞭になること、顎関節症などの悪影響が起こります。

顎関節症は顎関節に負担がかかりズレてくることで、顔の歪みや口を開けた際に痛みや音
が鳴るなどの症状や、頭痛・肩こり・耳鳴りも引き起こすこともあり、症状の悪化が懸念
されます。

□開咬(かいこう)

開咬は噛んだ時に奥歯しか当たらず、上下の前歯に隙間ができる咬み合わせのことを言い
ます。

前歯が咬み合わないため、食べ物をうまく噛み切れず奥歯にかかる負担が大きくなってし
まいます。

口呼吸にもなりやすく、前歯の隙間から空気が漏れるため滑舌が悪くなり日常生活に支障
をきたします。

開咬の原因には長期間指しゃぶりやおしゃぶり・哺乳瓶の使用など、後天的な要因が大き
いです。

□空隙歯列(くうげきしれつ)

空隙歯列とは歯と歯の間に隙間ができている状態です。

歯と歯の間が黒く見えてしまう事や、食べ物が挟まったり汚れが溜まりやすく、虫歯や歯
周病のリスクが高まります。

また隙間から空気が漏れるため、「サ行」や「タ行」の発音が不明瞭になります。

顎の大きさに対して歯が小さい場合や、歯の本数が少ないことが原因です。

上顎の前歯のみに隙間がある場合は「正中離開(せいちゅうりかい)」と言い、お子様に多
く見られます。

乳歯の隙間は正常であり、乳歯よりも大きい永久歯が生えるためのスペースが確保できて
いるので、問題はありません。

しかし以下の正中離開の場合には注意が必要です。

1) 上唇小帯付着異常

誰もが上唇と歯茎を繋いでいる上唇小帯と言う筋が、上顎の前歯の上の方にありますが、
乳児期には歯の際まで伸びています。

たまに前歯の隙間に入り込むように顕著に発達した上唇小帯があり、この場合を上唇小帯
付着異常と言います。

基本的には顎が発達するとともに上に上がっていくのですが、上唇小帯付着異常の場合は
自然には解消せず切除術を行うこともあります。

稀に外傷で上唇小帯が切れて改善することもありますが、永久歯が生えてくるまでは様子
を見ることが多いです。

2) 正中埋伏過剰歯

永久歯は親知らずを含めて全部で32本ですが、それ以外に過剰な歯が存在することがあり
ます。

上顎の真ん中は過剰歯の好発部位であり、歯茎の中に埋まっていることで前歯に隙間があ
いてしまいます。

埋伏過剰歯は抜歯する必要がありますが、大きい手術になるため適応年齢や適応時期を検
討しましょう。

□過蓋咬合(かがいこうごう)

過蓋咬合は上下顎の咬み合わせが深く、上顎の歯が下顎の歯を2~3㎜以上覆っている状態
のことを言います。

見た目にはそれほど問題はないですが、食べ物を前歯で噛み切ることが難しいので奥歯の
負担が大きく、歯周病や顎関節症になりやすいです。

過蓋咬合の原因は様々で一概には言えないですが、ひとつは上顎と下顎の大きさのバラン
スが悪いことが挙げられます。

不正咬合は自然に治ることはないので矯正治療で改善する必要があります。

大人になってからでも歯列矯正は可能ですが、症例によっては抜歯が必要になり費用も期
間も費やす治療になります。

できれば顎の成長段階の6~12歳ごろの方が、抜歯の可能性が低く歯をスムーズに動かせる
ので、負担が少ないうちに始めることが望ましいです。

また小児矯正の方が歯並びを改善すると同時に、悪習癖の矯正もしてくれるので根本的な
改善に繋がります。

将来の自分の健康のために歯列矯正してみませんか?

歯並びや咬み合わせが気になる方や、不明な点がある方は気軽にご相談ください。

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