menu
close

ブログ

投稿日:2024.2.26

受け口は歯の向きと関係があるの?

みなさん、こんにちは。
仙台キュア矯正歯科です(^^♪

受け口は骨格の問題のイメージが強いと思いますが、実は歯が生える向きにも大きく関係
します。
「歯槽性反対咬合」と「骨格性反対咬合」の2種類からなり、それぞれ原因や治療方法が
異なります。
歯の生える向きが問題の場合は、幼少期からの癖が原因で受け口になることもあるので注
意が必要です。
予防や早期の治療であれば負担が最小限に抑えられることもあるので、早めの判断で改善
することが身体の健康にとって望ましく思います。
どちらのタイプにしても受け口は咬み合わせが正常ではないので、様々な問題を引き起こ
してしまう不正咬合です。
まずはどのタイプの受け口なのか確認していきましょう。

受け口の種類

正常な咬み合わせは上顎の歯が下顎の歯に覆い被さるように前に出ている状態ですが、受
け口は相対的に下顎の歯が上顎の歯より前に出ているので「反対咬合」とも呼ばれていま
す。
上記で述べた通り、受け口には種類があり主に2つに分類されます。

1. 歯槽性反対咬合

歯の生える向きが原因によるもので、上顎の前歯が内向きに、または下顎の前歯が外向き
に生えることで咬み合わせが通常とは逆になり受け口が生じます。

2.骨格性反対咬合

顎の骨格が原因によるもので、上顎の成長が不十分だったり、下顎が過剰に成長しまった
場合に上下の顎のバランスが通常とは逆になり受け口が生じます。
骨格異常の場合は遺伝の可能性が高いとされていて、顎の成長段階で適切な治療を行い、
上下顎の正しいバランスを誘導していくことが最小限の負担で治療できる方法です。
顎の成長には個人差がありますが、下顎は思春期の身長が伸びるタイミングで大きく成長
すると言われています。
成長が完了後は歯列矯正だけでは骨格の改善はできないので、外科手術を勧められること
が多いです。
一方で1つ目の歯槽性反対咬合は幼少期から日常的に行っている癖が受け口を促している
こともあります。
悪影響を及ぼしている癖と予防法を紹介していきましょう。

受け口に関与する悪習癖

頬杖 うつ伏せ寝

子供の顎骨は柔らかいため、以下のことを日常的に行っていると本来生えている角度が変
わることがあります。
無意識に行っている行為なので、長く続ければ続けるほど辞めるのが困難になる可能性が
高いです。
受け口を進行させる原因なので、時期を見て早めにやめさせることが1番の治療になりま
す。

1 指しゃぶり

指しゃぶりは安心感を得るために行っている行為と言われており、赤ちゃんの内は問題な
く年齢と共に自然とやめる子も多いです。
しかし3歳以上も続いているようであれば受け口や出っ歯、開咬のリスクが高くなるので
、やめさせることが望ましいですが、無理にやめさせるとお子様の精神的ストレスになり
ます。
お子様に寄り添いながら辞めなければいけない理由を説明し、時間はかかってもいいので
自分から辞めれるようにサポートしてあげましょう。

2 低位舌

安静時の正しい舌の位置は上顎の前歯の裏側についている状態ですが、「低位舌」は下顎
前歯の裏側に常に舌がついている状態です。
本来ならば安静時や唾液やお食事を飲み込む時は、舌が上顎を押し上げるので上顎の成長
を促します。
しかし低位舌の場合、飲み込む時に下顎の前歯を押しつけるような形になるので下顎の前
歯が前に傾斜したり、下顎の成長を促すことになります。
低位舌を見分けることは難しいですが、可能性としては常にお口が開いていたり舌の周り
に歯形がついていると低位舌かもしれません。
元々生まれた時は全員がミルクや母乳を飲むので、舌の使い方はこの段階で習得している
はずですが、離乳食期や何らかの原因で口呼吸になり舌が下がっていったことが考えられ
ます。

改善するには・・・

離乳食の与え方にも注意が必要で、スプーンをお口の中まで入れてあげると自分で舌を使
う動作が少なくなるので、舌の筋肉がつかなくなります。
正しい離乳食の与え方は、スプーンを下唇にチョンチョンと触れると上下の唇で捕食する
ので、スプーンを水平に抜きます。
そうすると舌の動きで食べ物を奥に移動させ飲み込みます。
注意すべき点は、スプーンを引き上げる時に上唇が下りてくる前に上唇や上顎に引っ掛け
たり、下唇を触れずに口の中に入れたするような与え方はしないで下さい。
唇をしっかり閉じるのを待つことが食べる機能や唇・舌の筋肉の発達にとって重要なポイ
ントです。

治療方法

口呼吸の原因を改善し鼻呼吸を行うことと、舌のトレーニングを行うことが効
果的です。
低位舌を改善するトレーニングは「ポッピングトレーニング」といい、舌を上に持ち上げ
る筋トレを行います。

1. 舌の先端を上顎の前歯の裏側に当て、舌全体を上顎に吸い付けるように力を加えます

2. 舌の裏側が伸びている状態を5秒間キープさせます。
3. 力を加えたまま「ポンッ」と音がでるように弾きます。
4. これを1日10回繰り返します。
舌の裏側の筋(舌小帯)が短くて、上に持ち上げることができない場合は舌小帯を切って可
動域を広げる手術が必要です。
低位舌は気道が狭くなるので睡眠時無呼吸症候群やいびきを引き起こしやすくなります。
改善することにより受け口の予防以外にも気道が広がることで全身に酸素が行き渡り、睡
眠時の症状や集中力の向上にも繋がります。

3 口呼吸

安静時は鼻呼吸が正しいですが、慢性鼻炎や低位舌の方に多く口呼吸がみられます。
口で息している方はお口が開けっ放しの状態になるので、口輪筋が低下し、外側からの圧
力がかからず前歯の生えている向きが外側に傾いてしまいます。
歯並びが変化することにより、口元の突出感が出てくるので顔貌の変化にも繋がりEライ
ンが崩れてしまいます。
さらに口で呼吸していると乾燥してしまうので、菌が繁殖しやすく虫歯・歯周病・口臭の
原因にもなり、悪い空気も直接吸い込むので風邪も引きやすいです。
口呼吸は「万病の元」と言われているほど様々な疾患を引き起こすので、早めの改善が症
状を軽度で抑えれるでしょう。
口呼吸治すためにはまず口輪筋をトレーニングが効果的です。

□あいうべ体操

1.「あー」と大きな口を開ける
2.「いー」と大きく口を横に伸ばす
3.「うー」と大きく唇を付き出す
4.「べー」と力一杯舌を前に出す
発声はしてもしなくてもどちらでも良いので1日30セットします。
□吹き戻しやフーセンガム
口輪筋を鍛えるトレーニングとして高齢者のリハビリでも取り入れられています。
遊びながらできるトレーニングなので、小さいお子様にも有効です。

受け口の治療方法

歯の生えている向きや歯並びによって受け口になっている場合は、外科手術をしなくても
歯列矯正で改善が可能です。
ワイヤー矯正が一般的ですが、歯並びの状態によってはマウスピース矯正も適用できます

しかし歯列矯正を行い受け口を改善しても、悪習癖が残ったままだと歯並びが後戻りしや
すく受け口の改善は難しいです。
口呼吸や低位舌であったりは他人からあまり注意を受けることはなく、気づきにくいです
が矯正治療と同時に口輪筋のトレーニングを行う口腔筋機能療法で、癖の解消を図ること
が重要です。
歯並びだけでなく全身の健康に影響を及ぼすので、理解していただき改善すると残りの人

生が変わるほど大きく変化します。
お子様の場合は顎の成長と共に受け口が悪化していく可能性があるので、受け口に気が付
いたら早めに診てもらうことをお勧めします。
歯列矯正を検討中の方や気になる点がありましたらお気軽にご相談ください。