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投稿日:2024.7.15

受け口を矯正すると横顔がキレイになるの?

「受け口」と呼ばれる下顎が前突している歯並びは、横顔の美しさや顔全体のバランスに影
響を及ぼすことが知られています。
この受け口ですが、具体的には横顔をはじめとした外見や機能にどのような影響を及ぼし
、矯正することでどのような効果が得られるのでしょうか?詳しく解説していたします。

受け口とは?

受け口は、出っ歯や八重歯などと並ぶ不正咬合の一つであり、下の歯列が前に突き出てい
る状態を指します。
正常な場合、上下の歯が適切に噛み合っていますが、受け口の場合は下顎が前に出ており
、上下の歯が正しく噛み合わないことから、アンバランスな状態が目立ちます。受け口は
、個々の外見に影響を与えるだけでなく、咬合異常や発音障害を引き起こすことも少なく
ありません。
また、受け口は、顔のバランスや輪郭など、外見に影響を与える要因の一つなります。
これは、例えば下顎が突出していることで顎の印象が強くでてしまったり、横顔のバラン
スが崩れたりするためです。その結果、口元だけでなく顔全体の印象が不均衡に見えたり
、顔のプロポーションが整っていないように映ることがあります。

横顔が人の外見に与える影響

横顔は、正面から見た印象とは異なり、よりバランスや美しさが顕著に現れます。この横
顔の美しさは、顔を横から見たときに、鼻先から顎先までを線で結んだ「Eライン」と関連
しています。Eラインは、ライン内に上下の唇が収まることで、鼻、口元、あごの位置が調
和して美しい横顔になると言われています。
しかし、受け口などの問題がある場合、Eラインから下唇が大幅に突出することで、横顔の
調和が欠けて見え、「シャクレ」とも呼ばれるような下顎の印象が大きくなってしまうの
です。このような状態は、横顔の美しさに影響を与え、外見の印象を大きく左右する要因
となります。

受け口があると横顔はどうなる?

横顔のプロフィールの乱れ

受け口の場合、横から見た際に顔のプロフィールが乱れてしまいます。これは、正常な顎
の位置と比較すると下顎が前に出ているため、顔のラインが不自然になるためです。
口元の突出感が目立ちやすいことから、Eラインへ大きな影響を与えるため、横顔のバラ
ンスをも乱してしまいます。

下顎が強調される

受け口のために下顎が前に出ていると、口元が強調され、他の部分よりも目立ってしまう
ことがあります。これにより、顔全体のバランスが乱れ、横顔が美しく見えなくなる要因
となることがあるのです。

顔の対称性の欠如

受け口がある場合、顔の左右の対称性が損なわれることがあります。顎の位置が偏ってい
るため、顔の左右のバランスが取れなくなり、これが横顔の美しさに影響を与えます。
受け口はこれらの要素が組み合わさり、横顔の美しさに与える影響を招くことがあります

受け口の特徴

下顎の前突

受け口の最も顕著な特徴です。下顎が前に出ているため、横から見ると特にその症状が目
立ちます。

歯の噛み合わせの不調

受け口の場合、上下の歯が正しく噛み合っていないことから、咬合異常がみられることが
あります。

口元の印象

下顎が前に出ているため、下唇が前に突き出ているように見え、ムッとした印象を与える
ことがあります。

受け口の原因って?

受け口の原因はさまざまですが、主な要因は次の通りです。

遺伝的要因

受け口は、遺伝的な要因によって引き起こされることがあります。特に、骨格的な影響が
両親や祖父母などから遺伝した場合、先天性の受け口になる可能性が高くなります。

歯列の形成異常

歯並びが形成される過程で歯列が正常に並ばず、上下の歯が正しく噛み合わなかったため
に下の歯列が前にでてしまい、受け口になることがあります。

習慣や生活環境

主に成長期において、口呼吸や舌の習慣などが続くことで、後天的に受け口を引き起こす
可能性があります。

受け口を矯正する方法

受け口は、自力で治せる症状ではありません。矯正で改善する方法には、歯科矯正や、外
科的矯正治療などがあり、それぞれの方法には利点やデメリット、費用、期間などがあり
ます。

歯科矯正治療

歯科矯正は、ブラケットやマウスピースなどを用いて、歯の位置を調整する方法です。受
け口の場合、噛み合わせから治療する必要があるため、奥歯までを治療対象とした全体矯
正が適用されます。

メリット

矯正治療では、受け口以外にも歯の凸凹である「叢生」や、奥歯の噛み合わせも同時に治
療できる点がメリットです。また、小児の場合適切なアプローチを行うことで、顎の成長
を調整し、受け口を予防できる可能性が高まることも少なくありません。

デメリット

矯正期間が長く、年単位の治療となることがほとんどです。重度の受け口の場合、歯列矯
正だけでなく、顎の位置を修正する外科手術必要があり、症状によっては歯列矯正だけで
は治療の効果が得られない場合もあります。

費用と期間

費用は個々の症例や矯正方法によって異なりますが、成人の場合80万〜130万円かかるこ
とが一般的です。期間は、抜歯の有無や治療法によっても異なりますが、2〜3年間が平均
と言えるでしょう。

外科的矯正治療

外科的矯正治療は、通常の歯列矯正と合わせて骨切り手術を併用する矯正治療方法です。
歯列矯正治療の前、または後に手術を行います。

メリット

下顎の位置や大きさに問題がある骨格性の重度受け口の場合には、外科的矯正治療が有効
な治療方法となります。顎の骨を切除、移動させることで顎の位置を修正し、噛み合わせ
と顔貌の改善をはかります。このことから、根本的な改善が期待でき、更に外見の変化も
大きい事がメリットです。

デメリット

外科手術を行うため、リスクや合併症を伴うことがあり、術後の回復にも時間がかかる場

合があります。また、手術や入院費用も別途発生するため、治療費が高くなってしまう点
がデメリットです。
費用と期間
外科的矯正治療は、他の治療方法よりも高くなる傾向があり、歯列矯正の費用とは別に約
100万円ほどかかることがあります。ただし、指定の医療機関において、矯正治療と合わ
せて外科手術が必要な顎変形症と診断された場合、保険を適用して治療できることがあり
ます。
また、外科的矯正治療では、手術後の回復期間などもあるため、通常の歯列矯正よりも数
か月治療期間が数ヶ月程長くなるとも言えるでしょう。

受け口を矯正する際の注意点

適切な矯正歯科医の選択

矯正治療を行う際は、経験豊富な矯正歯科医を選択することが重要です。受け口は、原因
やその程度によっても適切な治療方法が異なります。よって、受け口を治療する場合には
、専門家の診断とアドバイスを受け、最適な治療方法を決定しましょう。

リスクと費用の理解

いずれの治療法もリスクや合併症が伴い、また、費用や治療期間も異なります。これらの
情報や治療のデメリットも十分に理解し、治療を開始する前に担当医へしっかりと不明点
を質問しましょう。

治療プロセスの把握

治療の流れや装置の特徴、定期的な来院頻度についてもあらかじめ把握しておきましょう
。矯正装置の特徴をしっかりと理解し、適切に使用することで、効果的な治療結果が得ら
れる可能性が高まります。また、矯正治療中は装置や歯の清掃に注意し、適切なケアと清
潔を保つことも重要です。

定期検診とセルフケアの実施

治療が終了した後は、後戻りを予防するため、歯科医院で定期的なフォローアップが必要
です。歯列を保持するための保定装置(リテーナー)をしっかりと着用し、担当医の指示
に従いながら、長期的な結果の維持に努めましょう。

まとめ

適切な治療を選択し、受け口を矯正することで、多くの方は横顔が綺麗になります。
受け口の矯正は横顔だけでなく、その他の外見や機能性の向上を目指すための、非常に重
要な治療法です。バランスの取れた顔立ちや正常な噛み合わせは、自信を持ち、健康的な
生活を送るための重要な要素の一つとも言えます。
しかし、受け口の治療を決定する際には、矯正歯科医の意見を十分に聞き、リスクや費用

、期間などを理解することが不可欠です。患者自身が治療プロセスを理解し、適切なケア
を行うことで、矯正治療の効果を最大限に引き出すことができます。
受け口と一言で言っても、原因や度合い、ご自身の希望によっても適切な治療が異なりま
すので、受け口にお悩みの方は、まず矯正歯科医へ相談してみましょう。

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