投稿日:2024.3.25
唇を噛む癖があると歯並びが悪くなる?
みなさん、こんにちは。
仙台キュア矯正歯科です。
誰もが知らず知らずのうちに無意識に行っている癖が1つや2つ、あると思います。
しかしその癖の多くは体のどこかしらに影響していて、お口周りの癖も例外ではありませ
ん。
「口腔習癖」という言葉はご存じですか?
口腔習癖とは、日常生活において何気なく行っている行為で、歯並びや咬み合わせに悪影
響を与えてしまう癖のことです。
その中でも唇を噛む癖がある方は多いのではないでしょうか。
お子様は特に唇を噛んだり舐めたりしてお口周りが赤く荒れてしまっている子をよく見か
けますが、歯並びが悪い方は昔はやっていた。と言う方もいらっしゃいます。
噛むとなぜ歯並びに影響があるのか知っていると未然に防げたり、または軽症で済む可能
性があるので詳しく説明していきましょう。
その他にも口腔習癖があるので紹介していきます。
唇を噛むと歯並びに影響を与える理由
唇を噛む習慣が付いていると出っ歯や受け口の原因になります。
上顎の前歯で下唇を噛むことが多いですが、その場合は上顎前歯が前方に力が加わり、下
顎前歯は内側に力が加わるので口腔形態のバランスが乱れて出っ歯になりやすくなります
。
反対に下顎の前歯で上唇を噛む場合は、上顎前歯は内側に、下顎前歯は外側に傾斜するの
で受け口になりやすいです。
また、咬み合わせが深くなる過蓋咬合になってしまう可能性もあり、歯や顎に負担がかか
るので痛みが出やすくなります。
歯並びは唇と舌のバランスが重要で、唇と頬(外側)から300g、舌(内側)から500gの圧力で
成り立っていると言われています。
舌筋や口輪筋がない場合はトレーニングで鍛える必要があり、口腔習癖によって必要以上
の力が加わっている場合は癖を改善することが望ましいです。
歯並びが悪くなると審美性以外に虫歯や歯周病に罹患しやすく、口臭の原因にもなります
。
さらに咬み合わせも悪くなると顎に負担がかかり顎に痛みや頭痛、肩こり顔の歪みなど口
腔内に留まらず全身に悪影響を及ぼします。
このような口腔習癖は他にもあり、もしかしたら行っているかもしれないので、今一度確
認してみてください。
改善すべき口腔習癖
歯並びの悪さは歯や身体の健康に影響するので、気を付けなければいけない口腔習癖は以
下の通りです。
1.口呼吸
鼻呼吸が正常ですが、アレルギー性鼻炎などの鼻つまりや口輪筋の低下などで口呼吸にな
ってしまうと、唇と舌のバランスが崩れ、前歯が前方に倒れてしまいます。
歯並びだけでなく口で息をすると口腔内が乾燥し菌が増殖しやすい環境になるので、虫歯
や歯周病に罹患しやすくなります。
また、ウイルスなど悪い空気が鼻のフィルターを通さず、直接体内に入ってしまうので風
邪が引きやすくなります。
口呼吸は口輪筋のトレーニングで改善することもありますが、原因が鼻の病気からくるも
のであれば、耳鼻咽喉科での対応が必要になります。
2.低位舌
聞き馴染みのない言葉かと思いますが、低位舌とは安静時の舌の位置が下顎前歯部の裏側
に位置している状態です。
本来は上顎前歯部の裏側に着いている状態が正常ですが、舌の筋肉が弱く舌が下がること
があります。
舌の位置が正常の場合、安静時以外にお食事や唾液を飲み込む時に上顎を押し上げるよう
に力が加わるので、上顎の成長を促します。
しかし低位舌の場合、飲み込む時に下顎の前歯部を押し付けるので下顎の成長を促したり
前歯が前方に傾斜して受け口になりやすいです。
口呼吸の方は低位舌になる傾向があり、歯にかかる唇と舌のバランスがないので、口元が
前に突出する「口コボ」になる原因になります。
歯並びだけではなく、低位舌になると気道が狭くなりいびきをかきやすく睡眠時無呼吸症
候群にもなりやすくなるので、放っていると身体への危険性が増します。
低位舌の改善方法は舌の体操を行うことによって、口呼吸も低位舌も改善できます。
□あいうべ体操
・「あー」と大きく口を開く
・「いー」と大きく口を横に伸ばす
・「うー」と唇を力一杯付き出す
・「べー」と舌を力一杯前に出す
発声はどちらでもいいので、一日に30セット行います。
□ムーシールド
小児期の受け口の矯正治療に使用される装置ですが、低位舌や唇と舌のバランスを改善す
ることを目的としている矯正装置です。
乳歯がすべて生え揃う3歳ごろから治療開始できますが、専用のマウスピースを装着する
ため、治療に協力してもらえなければ長引いてしまうので、理解できる年齢になってから
が良いでしょう。
3.舌突出癖
上下の歯の間から舌を出したり前歯を舌で押したりしてしまう癖です。
奥歯で噛んだ時に前歯に隙間ができて噛めない状態の「開咬」になってしまい、舌で前歯
を押すことによって「出っ歯」などを引き起こす原因になります。
歯並びだけでなく、発音や咀嚼など日常生活にも影響を与えるのでストレスやコンプレッ
クスに繋がる可能性もあります。
4.指しゃぶり
幼少期の睡眠時など、指だけに限らず爪やタオルをお口の中に入れる習慣が付いているお
子様も多いと思います。
3歳ごろまでは生理的現象で成長と共に自然とやめていくものですが、4歳以降もやり続け
ていると「出っ歯」や「開咬」になる可能性が高くなります。
また指を長期間吸っていると、口腔内の圧力が高くなるので上顎の歯列弓が狭くなる「歯
列狭窄」になることもあります。
指しゃぶり自体は安心感を得るために行っている行為と考えられており、無理にやめさせ
ようとするとお子様にストレスがかかってしまうので、やめなければいけない理由を説明
し、自分からやめれるようにサパートしましょう。
歯並びに悪影響なのでなるべく早めの改善が望ましいですが、自主的にやめれない場合は
、歯科医院にて医師に相談するのも良いと思います。
5.頬杖
授業中やデスクワークの時など無意識に行っている方も多いと思いますが、歯並びに悪影
響を与える悪習癖のひとつで、お顔の歪みにも繋がります。
頬杖をついている方の歯は内側に負荷が加わるので、内側へ倒れてしまいます。
さらに酷くなると下顎が反対側に歪むため、お顔が左右非対称になり、顎関節に負担がか
かるので顎関節症のリスクも高くなります。
歯がずれればずれるほど咬み合わせが悪くなり、骨格にも問題がでる歯列矯正や最悪の場
合手術が必要になるかもしれません。
寝相も同様に悪影響になるため、同じ方を下にして寝るのはやめましょう。
歯並びや顔の歪みに影響が出てからでは手遅れなので、心当たりがある方は気を付けてく
ださい。
歯並びは遺伝によって影響する可能性は高いですが、後天的な口腔習癖によって悪くなっ
ていくケースも十分にあります。
歯列矯正を行っても口腔習癖が改善していないと、歯並びが後戻りする原因になるので、
まずは口腔習癖を改善することが一番必要な治療だと思います。
無意識に習慣付いた行為をやめるのは難しいと思いますが、今後の歯や身体の健康を考え
ると気づいた時に治療を行うことが望ましいです。
上記で述べたものは意識や訓練することで改善することも可能ですが、歯科治療として
「MFT(口腔筋機能療法)」と呼ばれるトレーニングがあります。
「MFT」は口腔周囲筋を鍛え機能を改善するトレーニング法で、歯並びに関係している
唇・頬・舌の筋肉を正常にし、唇と頬(外側)からと舌(内側)からのバランスを整えていきま
す。
このような方法もあるので、悩みを最小限にできるようにできるだけ早く発見し治してい
きましょう。
歯並びのことなど気になることがあればお気軽にご相談ください。