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ブログ

投稿日:2025.9.15

唇を噛む癖があると歯並びが悪くなる?

「唇を噛む癖がやめられない」「歯並びに影響するって本当?」と気になっていませんか?

歯並びは口腔習癖の影響を受けやすく、癖が残っていることで矯正治療の妨げになるケースも珍しくありません。
全身の健康のためにも、癖は早めに直しておくことをおすすめします。

唇を噛むことが歯並びに影響する理由

女の人 女性

唇を噛む癖があると上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)のリスクが上がります。
この2つの共通点は前歯が前方に出ていることであり、内側から唇に余計な力が加わることによって発生しやすいのが特徴です。
下唇を噛む癖があると上顎前突(出っ歯)に、反対に上唇を噛む癖があると下顎前突(受け口)になりやすいので注意しましょう。

大人の方でも「唇を噛む癖」がある人はいる

相談 矯正

歯並びの崩れは幼少期の癖が影響しているケースが多いですが、大人の方でも唇を噛む癖がある人は存在します。
歯は常に動いており、隣接する歯があることで位置を保っていますが、余計な力が加わり続けると歯並びの悪化につながるので注意が必要です。
同じ部位に刺激が加わり続けると皮膚が硬くなり癌化する可能性もあるため、唇を噛む癖がある方は早めの改善をおすすめします。

唇の内側や口の中を噛む癖がある場合も歯並びは崩れるの?

なかには唇の外側ではなく内側を噛んだり、舌や頬の粘膜を噛んだりする方もいます。
噛むことによる影響は基本的には同じで、奥歯で噛む場合はその部位の歯が傾斜する可能性が高めです。
お口のなかを噛むのは傷が外傷性の口内炎に変化する恐れがありますので、その点にも気をつけなくてはいけません。
外傷性の口内炎ができると痛みがあることで食事やお手入れもしにくくなります。

歯並びが悪くなるとどんなデメリットがある?

痛み 顎

歯並びはお口のなかだけでなく全身の健康とも深い関係性があります。
崩れた歯並びを放置しておくデメリットを理解して、予防に役立てましょう。

お顔の見た目が悪くなる

歯並びはお顔の印象を大きく左右するものであり、なかでも上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)は
唇が盛りあがる傾向にあるため、印象が悪くなりやすいといえます。
唇が自然に閉じられないケースも珍しくなく、歯の表面が乾燥することで汚れや着色がつきやすくなるのが特徴です。

虫歯や歯周病のリスクが上がる

ミュータンス菌 むし歯

歯並びが崩れていると、歯ブラシの毛先が歯面にあたりにくくなることで磨き残しがおこりやすくなります。
上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)の場合、隣接する歯との段差が発生しやすく
歯ブラシをあてる角度を意識したお手入れが欠かせません。怠ると虫歯や歯周病のリスクが上がるため注意が必要です。

口呼吸につながりやすい

中等度や重度の上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)だと、唇が自然に閉じられないケースも少なくありません。
唇が閉じられないことで口呼吸につながりやすく、その結果内側からの圧が常にかかった状態になり、余計に歯並びが崩れることがあります。

首や肩こりのリスクが上がる

中等度や重度のケースだと上下の前歯が噛み合わないケースも多く、噛み合う歯のみを使用するため
その部位の負担が増えてしまいます。噛むときに使用する筋肉のバランスが崩れると
つながりのある首や肩の筋肉にも影響して痛みやこりを引き起こすことがあるので放置するのはよくありません。
慢性的な症状にお悩みの方は一度噛み合わせについてチェックしてみるといいでしょう。

顎関節症のリスクが上がる

顎関節 矯正

全体でバランスよく噛めない環境は、顎関節症のリスクが上がる原因の一つです。
顎関節症は一度発症すると治癒するまでに時間がかかるほか、開口障害があることで食事や普段のお手入れ
歯科治療も難しくなります。悪化すると外科手術が必要になることもあるため、予防や早期治療が重要です。

唇を噛む癖だけじゃない!改善すべき口腔習癖やその他の癖

歯並びに影響する口腔習癖は、唇を噛む癖だけではありません。その他の癖について以下でくわしくみていきましょう。

口呼吸

口呼吸は歯並びがさらに崩れるリスクがあるほか「外気がダイレクトに喉に届くため風邪をひきやすい」
「お口のなかが乾燥することでより汚れがつきやすくなり、虫歯や歯周病が発生率が高くなる」などさまざまなデメリットがあります。
口呼吸の原因が鼻の病気である場合は耳鼻咽喉科での対応が必要です。

低位舌

舌はお口を閉じているときやリラックスしているときは、前方1/3程度が上顎前歯の裏側についているのが正常です。
下顎前歯の裏側についている場合は間違った位置にある状態で低位舌と呼ばれます。

食べ物や飲み物を飲み込むときの舌があたる位置が変わり、低位舌だと下顎の成長が促されるほか
前歯部に内側から圧がかかるため下顎前突(受け口)のリスクが高めです。
気道が狭くなることでいびきをかきやすく、無呼吸症候群につながることもあるので注意しましょう。
「舌の正しい位置を意識して過ごす」「舌を鍛えるためのトレーニングを行う」といった方法で低位舌や口呼吸の改善が可能です。

舌突出癖

舌、スポット

舌を前に出す癖を舌突出癖といいます。

上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)、開咬につながりやすく、滑舌や発音に支障をきたしたり、
上下の前歯で舌を傷つけたりすることもあるため早めの改善がおすすめです。

長期の指しゃぶり

指しゃぶり

赤ちゃんの指しゃぶりは生理的現象の一つであり、3歳ごろに自然とやらなくなるのが一般的です。
上下の前歯の間に指があることで開咬につながりやすく、吸う力によってさらに歯並びに影響する
リスクが高いので、3歳以降も続いている場合は指しゃぶりの原因を探して改善することをおすすめします。

頬杖やうつ伏せ寝

頬杖やうつ伏せ寝は下顎を無理矢理ズラす行為であり、その時間が長ければそれだけ歯並びの
崩れや顎関節症のリスクが高まります。とくに顎の成長期である6~12歳ごろに癖がついてしまうと
骨格に原因のある下顎前突(受け口)やお顔の歪みにつながりやすいので注意しましょう。

食いしばりや歯ぎしり

起きている間に上下の歯を強く噛みこむことを「食いしばり」、寝ている間にそれがおこる現象を
「歯ぎしり」といいます。食いしばりよりも歯ぎしりのほうが強い圧がかかると言われており
歯並びの崩れだけでなく歯のヒビや破折、顎関節症のリスクが高いため放置は危険です。

ナイトガード(食いしばりや歯ぎしりを改善するためのマウスピース)を使用することで
上下の歯の接触や圧がダイレクトにかかるのを防げます。お口の型取りをして1~2週間後に
出来上がるケースがほとんどですので、気になる方は早めに歯科医院へ相談しましょう。

矯正治療で唇やお口の中を噛む癖は改善できるのか?

ワイヤー 矯正

矯正治療で歯並びや噛み合わせを整えることで粘膜を巻き込みにくくはなりますが
意図的に噛んでしまう場合は噛まないように意識して過ごす必要があります。
いくら矯正治療で整えても口腔習癖や歯並びに影響するその他の癖が残っていると
後戻りがおこり場合によっては再治療が必要になるので注意しなくてはいけません。
しかし、癖の多くは無意識に行っているため「意識して過ごし続ける」ことは難しいといえます。

「どんなふうに癖を直していいのか分からない」という方は、ぜひ以下の方法をお試しください。

目に留まりやすい場所にメモを貼っておく

口腔習癖やその他の癖が歯並びの崩れや悪化を引き起こすと知っていても
別のことに夢中になったり集中していたりするときは、なかなか意識して過ごすことができません。

視界に入りやすい場所に「〇〇をしない」など分かりやすいメモを貼っておくことで
意識する時間を強制的に作れます。一人暮らしや自分の部屋がある方は試してみるといいでしょう。

パートナーやご家族に声掛けをしてもらう

遺伝 遺伝子

パートナーやご家族と一緒に住んでいる場合は、気づいたときに声かけをしてもらうのも効果的です。
口腔習癖やその他の癖が歯並びに影響することを周囲に知ってもらうことで治療がスムーズに
すすみやすくなるほか、自分だけでなく周囲の人もお口の健康について意識して過ごしやすくなるのでメリットは大きいといえるでしょう。

口腔習癖やその他の癖がある場合の適切な治療法は?

歯科医院では以下の方法で歯並びや噛み合わせを整えています。適切な治療法を決定するには「くわしい検査」が必要です。

ワイヤー矯正(表側矯正)

ラビアル 表側矯正

歯の表面にブラケットとよばれる装置を貼り付けて、そこにワイヤーをとおして歯並びや噛み合わせを整える方法です。

1本1本の歯に装置がつくため微調整がしやすく、装置が固定式で装着時間を気にして過ごす必要がありません。
装置が人目につきやすいという欠点がありますが、最近では白や透明の装置を
取り扱っている歯科医院も増えており昔にくらべて選択しやすくなったといえます。

装置の厚みぶん唇が盛り上がることから、中等度や重度の上顎前突(出っ歯)や
下顎前突(受け口)の場合はより口元が目立ってしまう可能性があるので注意しましょう。

裏側矯正(舌側矯正)

リンガル 裏側矯正

ワイヤー矯正の一種で歯の裏面に装置を貼り付けて行う方法です。
正面から装置が見えにくいためお顔の印象が変わりにくく、唇が盛り上がる心配がありません。

表側矯正よりも高い知識やスキルが求められる治療法であり、取り扱っている歯科医院が限られているほか
料金も高く設定されているケースがほとんどです。装置が舌にあたることで
一時的に発音や滑舌が悪くなる点もデメリットの一つといえるでしょう。

ハーフリンガル矯正

ハーフリンガル矯正

ワイヤー矯正の一種で上顎を裏側矯正(舌側矯正)で、下顎を表側矯正で行う方法です。
両方のデメリットを改良したもので、基本的に裏側矯正(舌側矯正)を取り扱っている歯科医院でしか受けられません。
上下裏側矯正(舌側矯正)で行うよりも費用を安く抑えられます。

マウスピース型矯正

マウスピース矯正 アライナー

マウスピース型の装置を使用して歯並びや嚙み合わせを整える方法です。

装置が透明で目立ちにくく、薄いため唇が盛り上がったり発音や滑舌が悪くなる心配がありません。
取り外しが可能で食事やお手入れを今までどおり行えます。
歯列全体を覆うタイプの装置であることからワイヤー矯正にくらべて
微調整が難しく、対応できる症例が限られているので注意しましょう。

口腔習癖やその他の癖がある場合は早めの改善がおすすめ

口腔習癖や頬杖、うつ伏せ寝といった癖は、放置する時間が長ければそれだけ歯並びの崩れにつながりやすくなります。
一度崩れてしまうと治すには矯正治療が必要です。現在崩れが見られない場合であっても
癖があると将来治療が必要になる可能性が高いので、早めの改善をおすすめします。
すでに歯並びの崩れでお悩みの方は当院までお気軽にご相談ください。

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