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投稿日:2025.1.27

受け口は前歯だけの矯正でも改善できる?

「見える部分を矯正したい……。」
前歯などの一部分を矯正する部分矯正は、費用を抑えることができ、治療期間も短縮でき
る方法です。
しかし、噛み合わせのバランスも含めて改善が必要な場合など、歯並びによっては適用が
できない場合もあります。
そこで今回は、受け口が前歯だけの矯正でも改善できるかについて詳しくご紹介します。

受け口とは?

口元 口ゴボ ゴボ口 

受け口は、下の歯が上の歯に覆い被さっている状態です。
通常は、上の歯が下の歯を覆う状態が正しいため、反対の噛み合わせているため、「反対
咬合」とも呼ばれます。
症状は個人差がありますが、特徴的な見た目のことが多く、コンプレックスになりやすい
歯並びです。
噛み合わせのバランスも崩れているため、機能的にもトラブルになりやすい歯並びになり
ます。

受け口の原因とは?

骨格などの遺伝的な要因

遺伝 遺伝子

歯や顎の大きさは遺伝をしやすく、両親のどちらかが受け口の場合には、受け口が遺伝す
る可能性があります。
その他には、上顎と下顎のアンバランスさも関係しています。
乳歯が生え変わる12歳くらいまでの時期は、顎の成長も続いていますが、その後は成長が
落ち着きます。
この成長期に時期にやわらかい物ばかり食べる習慣があると、顎の成長が促されず、上下
のバランスに影響を及ぼしてしまうことがあります。
ただし、顎の成長期の時期は、顎の成長を味方につけた矯正治療が可能です。
顎の成長を促し、正しい位置に永久歯が生えてくるように誘導します。
骨格的な原因でお子さまの場合には、矯正治療で改善が見込めますが、大人の方は顎の成
長が終わっています。
骨格のアンバランスさを改善するためには、外科矯正が必要なケースもあり、その後矯正
治療を行います。
この場合は、部分的な矯正では対応することが難しく、外科矯正と全体矯正が適用になり
ます。

日常の生活習慣などで歯並びが悪くなった場合

咀嚼 噛む力

軽度の受け口のケースでは、日常の生活習慣が原因になっている場合があります。
「口呼吸」「頬杖」「舌で歯を押すくせ」「偏った方ばかりで噛むくせ」「唇を噛むくせ
」はめずらしいくせではありませんが、日常的に継続して続けていると、歯並びが悪くな
ってしまいます。
このようなケースでは、状態にもよりますが、歯並びの不正で受け口になっているため、
矯正治療で受け口の改善が見込めます。
ただし、噛みあわせのバランスも整えて改善する必要があることが多く、全体矯正が対象
になることが多いです。

受け口によって起きる4つのデメリットとは?

1 滑舌に悪影響がある

受け口の方は、噛み合わせのバランスが悪いため、空気が抜けやすくなります。
そのため、「サ行」や「タ行」などの発音がしにくくなります。
その結果、滑舌が悪くなってしまう場合があります。
発音がきちんとできないと、小さいころにからかわれる場合もあり、コンプレックスにな
りやすくなってしまいます。

2 むし歯や歯周病のリスクが高くなる

ミュータンス菌 むし歯

受け口は、噛み合わせのバランスが悪いため、お口の中が乾燥しやすくなります。
むし歯や歯周病は細菌による感染症のため、お口の中が乾燥して、細菌が増えるとむし歯
や歯周病のリスクが高くなります。
また、歯並びが悪いため、その部分に汚れが残りやすく、その点もむし歯や歯周病になり
やすいです。

3 顎関節症の可能性がある

受け口は噛み合わせのバランスが悪い状態です。
無理な噛み合わせで噛み続けていると、顎の関節に負担がかかってしまい、顎関節症にな
ってしまう可能性があります。
顎関節症になると、口が開きにくい、噛むと顎が痛い、顎から音が鳴るなどの症状が出ま
す。
そのまま放置すると、悪化して顎関節が変形してしまう可能性もあるため、このような症
状が出た場合には、早めに歯医者に相談しましょう。

4 前歯で食べ物をかみ切りにくい

歯 痛み 歯医者

受け口は、前歯の噛み合わせが逆になっているため、前歯が正しく噛み合っていない状態
です。
そのため、前歯がきちんと機能していないケースが多く、前歯で食べ物を噛みきりにくく
なります。
前歯は、食べ物をかみ切る大切な役割をしていますが、この部分で噛みきりにくいと奥歯
に負担がかかったり、きちんと噛まないまま食べてしまったりすることがあります。
消化にも悪影響があるため、前歯がきちんと噛めるようにかみ合わせのバランスを整える
ことが大切です。

受け口の治療とは

矯正

ワイヤー矯正

歴史があり、多くの症例がある方法で、歯の表面にブラケットという装置をつけて、ワイ
ヤーを通して、歯を動かす方法です。

表側矯正

ラビアル 表側矯正

歯の表側に装置をつけるため、表側矯正といわれています。
以前は金属の見た目が気になる点がデメリットでしたが、矯正中の見た目も改善されて、
白や透明の審美ブラケットや審美ワイヤーも選択できるようになりました。
そのため、矯正中の見た目も分かりにくくなりました。

裏側矯正

リンガル 裏側

歯の裏側に装置をつける方法です。
装置がほとんど見えないため、矯正中の見た目が気になる方におすすめの方法になります

歯の裏側に装置をつけるため、歯科医師の技術力が必要で、対応している歯医者が限られ
ています。

マウスピース矯正

マウスピース矯正 MP矯正

患者さまのお口にぴったり合ったマウスピースを製作し、段階的に形の違うマウスピース
に交換することで、歯並びを整える方法です。
透明のマウスピースを使用するため、矯正装置に見た目が分かりにくい方法です。
型取りも、従来の粘土のような型取りではなく、スキャンをして治療計画を立案し、マウ
スピースを製作するため、型取りの負担も軽減ができます。
また、スキャンした情報を元に治療のシュミュレーションを立てるため、治療の過程の予
想を見ることができ、整っていく歯並びが確認できます。
ただし、1日20~22時間の装着が必要のため、自己管理が必要です。
「ちょっとくらい……。」と装着時間が短くなってしまうと、治療計画通りに動かない可
能性があります。

外科矯正

骨格性のアンバランスが原因で受け口になっている場合には外科矯正が検討される場合が
あります。
顎の骨を切除して、アンバランスさを改善してから矯正治療を行う方法です。

お子さんの矯正治療

指しゃぶり 癖

お子さんの矯正治療は、顎が成長している段階で行われます。
骨格が原因に受け口の場合には、「チンキャップ」「ムーシールド」「フェイスマスク」
などの矯正装置を使用して、顎のバランスを整えながら歯並びも正しい位置に来るように
促していきます。
歯並びだけが原因の場合には、日常的な悪習慣が歯並びを悪くしている可能性があります

そのくせを改善するように、トレーニングを行うこともあります。
舌のくせや口呼吸は矯正治療をスタートした場合でも、そのくせが残っていると、後戻り
や歯並びの改善が遅くなってしまうため、注意が必要です。
永久歯が生え揃っている場合には、大人と同じ矯正方法が適用になります。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正が適用になり、大人と同じように矯正治療を進めていき
ます。
この段階では、顎の成長を利用した方法は適用にならないため、歯を並べるスペースが無
い場合には、歯と歯の間にやすりをかけるようにしてスペースを作る「IPR」や抜歯が兼
用されます。

【まとめ】

スマイル 歯並び

受け口は、前歯の噛み合わせが反対になっている状態ですが、噛み合わせのバランスも含
めて治療が必要なケースが多くなります。
そのため、前歯だけの部分矯正ではなく、全体矯正が適用になることが多いでしょう。
ただし、患者さまによってお口の状況は一人一人違うため、カウンセリングをして確認し
てみると、ご自分の歯並びがどの矯正方法が適用になるか分かります。
当院では、受け口の方の治療も数多く行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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