投稿日:2024.4.5
歯並びと口呼吸の関係性は?
歯並びと口呼吸の関係性
日本人の7割は口呼吸って知っていましたか? 大人だと7割、子供だと8割の方が口呼吸だと言われています。今回は、歯並びと口呼吸の関係性について説明していきます。
口呼吸と歯並びには密接な関係があり、口呼吸が歯並びを悪化させたり、歯並びが悪くなることで口呼吸が習慣化したりすることがあります。
口呼吸が歯並びを悪化させる理由
①口呼吸によって口輪筋や頬の筋力が低下し、前歯を内側に抑える力が弱まる
②常に口が開いている状態のため、顎の成長が妨げられ、歯がきれいに並ぶためのスペースが確保しにくくなる
③舌が下がり、舌の力が常に下あごに加わるため、下の歯が上の歯よりも前に出てしまう「受け口」になりやすくなる
歯並びが悪いことで口呼吸が習慣化される理由
①出っ歯の場合は上顎が狭いので舌がおさまるスペースがなく口が自然に開いてしまう
②歯が出ているために唇が閉じず、口呼吸になりやすい
口呼吸になる原因
口呼吸は、鼻から呼吸する代わりに口から呼吸する状態です。鼻呼吸では、空気中の異物が自然にろ過される仕組みになっていますが、口呼吸では異物を直接体内に吸い込んでしまうため、健康に悪影響を及ぼします。
①鼻づまり
口呼吸の原因の1つとして、鼻づまりが挙げられます。花粉症や鼻炎などのアレルギーを持っている方は、鼻水で鼻が詰まっているため、鼻で呼吸をすることが難しく、常に口呼吸をしてしまいがちです。そうすることで、鼻呼吸をしなくなり、口を閉じる力が落ちていきますので口呼吸になりやすいです。
②歯並び
口呼吸の原因の2つ目として、歯並びが挙げられます。出っ歯(上顎前突)だと、前歯が前に出ており物理的に口が閉じづらく、自然と口呼吸になってしまいます。
③口唇閉鎖力(唇を閉じる力)の低下
低下口呼吸の原因の3つ目として、口唇閉鎖力の低下が挙げられます。上記で述べたように、鼻づまりや出っ歯などで鼻呼吸を続けていると、口を閉じる力は低下していきます。マスクを長時間付けていると、息が苦しかったり、誰にも口を見られていない為にポカーンと口が開いて口呼吸になってしまうことも挙げられます。また最近だと、あまり硬いものを食べなくなってきたり、シャボン玉や風船を膨らませる遊びも少なくなってきた為に、口輪筋(お口の周りの筋力)が低下していることも考えられます。
④習慣(癖)
花粉や、鼻炎、肥満などによって常に口呼吸の状態になっていると習慣化してきてしまい常に口呼吸の状態が続きます。一度癖になるとなかなか治すのが難しいでしょう。
⑤姿勢の悪さ
姿勢が悪いと舌の位置も下がり自然と口呼吸になりやすくなります。
口呼吸による弊害
口呼吸は、歯並びや顔立ち、免疫力、睡眠の質などに悪影響を与える可能性があります。口呼吸では外からの細菌やウイルスが直接体内に入ってしまうので、感染のリスクが高くなってしまいます。また、口呼吸は口をポカーンと開けている時間が長くなるので、口周りの筋肉が正常に発達しにくくなります。食事も口を開けたままくちゃくちゃと音を立てて食べてしまったり、発音にも悪影響が及ぶ可能性があります。さらに、口が乾燥することで唾液の働きが弱くなり、虫歯や歯周病などのトラブルが起こりやすくなります。滑舌の悪さや猫背なども、口呼吸と関係していると考えられる場合があります。口呼吸による弊害は以下のことが挙げられます。
①風邪や感染症・アレルギーになりやすい
鼻から呼吸する「鼻呼吸」の場合、外気を取り込む際に一緒に入ってきた細菌やウイルスなどを排除する機構が鼻に備わっているため、風邪をひきにくかったり、ウイルスに感染しにくいという特徴があります。また、鼻呼吸の場合は冷たく乾いた空気を吸い込んでも「副鼻腔」の働きにより、加温・加湿された状態で気道に空気を届けるなどの機能も働きます。
②口呼吸は、虫歯・歯周病、口臭の原因になる
「唾液」には、口腔内の細菌と戦ったり、汚れを洗い流したりするなどの様々な働きがあります。口内には唾液が常に出ている状態が正常ですが、常に口呼吸をしていると、お口の中は乾燥し、唾液の働きを妨げる原因になってしまいます。この状態では虫歯や歯周病の原因菌も繁殖し放題になってしまいます。
③口呼吸だと、歯並びにも悪影響
慢性的に口呼吸の状態が続くと、唇や頬の筋肉による外側からの圧力がかからない為、出っ歯や受け口などの原因になってしまうこともあります。口の中で舌が適切に口の上側に位置し、唇頬から適度に圧力がかかることで、顎や歯並びは正常に発達していきます。しかし、口呼吸の場合は舌が下がってしまっていることが多く上顎が十分に発達せずに歯並びにも影響が及ぶ可能性があります。前歯が突出するいわゆる出っ歯や、歯並びのガタガタ、上下の前歯が噛み合わないなど、歯並びの乱れが生じる原因になります。
④集中力が低下する
口呼吸だと酸素が十分に体に行き渡りにくくなり、集中力が低下しやすくなります。
⑤睡眠の質が悪くなる
いびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。
口呼吸は歯並びに悪影響を及ぼす可能性がありますが、逆に歯並びの悪さが口呼吸を招いていることもあります。出っ歯の場合は上顎が狭いので舌がおさまるスペースがなく口が自然に開いてしまうことがあります。また、歯が出ているために唇が閉じず、口呼吸になりやすいのです。
口呼吸の改善方法
①鼻呼吸を意識して何度も呼吸してみる
様々な原因で口呼吸になってしまいますが、その原因の上で口呼吸が癖になっていることが多いです。1日の間で、何度も鼻呼吸を意識することで、口呼吸の癖を改善できる可能性があります。
②就寝中に口にテープを貼る
起きている日中が口呼吸の方は、就寝中も口呼吸の場合がほとんどです。寝ている間は唾液の分泌量が減ってしまうため、口が空いているとさらに唾液が分泌されず口が乾燥してしまいます。唾液の分泌量が減少すると、虫歯や歯周病などに繋がってしまいます。テープはドラックストアに打っていますので、是非使ってみてください。
③お口の周りの筋肉を鍛える
上記で説明したように、口呼吸の方はお口の周りの筋力が低下しています。あいうべ体操や口輪筋のトレーニングによって筋肉を鍛えることで口呼吸を改善することができる可能性があります。特に小児では幼いうちに舌の正しい位置を覚え舌の正しいいちを癖にすることが大切です。
④矯正治療をする
歯並びが悪いことで、お口が閉じにくかったり、舌が収まるスペースが狭く、それにより口呼吸が習慣になってしまう場合があります。矯正治療により、歯並びを治すことで、舌を正しい位置に置けるようになったり、出ていた歯が引っ込むことでお口が閉じやすくなります。小児のうちは取り外し可能な装置もありますので早めの対策が必要です。
⑤耳鼻科を受診する
アレルギー性鼻炎や蓄膿症(副鼻腔炎)などで鼻づまりがある方は、まずは耳鼻科を受診することが大切です。鼻づまりが改善することで、鼻の通りが良くなり口呼吸がしやすくなります。
いかがだったでしょうか。口呼吸によってこんなにも歯並びに影響するとは思っていない人も沢山いたのではないでしょうか。まずはご自身の姿勢や、癖、舌の位置を気にしてみてください。
お悩みがあれば無料相談を受け付けていますのでいつでもお気軽にご相談ください。お待ちしております。