投稿日:2024.2.16
歯列矯正って、どれくらいで変わるの?
本日のブログは、『歯列矯正を始めてから
歯列にどれくらいで変化があるのか』を解説していきます。
矯正を始めるとどのくらいで歯が動いてくるのか気になりますよね!
やはり日本人の方は海外の方に比べて、
矯正装置を付けていること,口元が矯正器具が付いていることで笑って時に光って見えることが恥ずかしい。あるいは
他人に知られたくない。そういった方が多いようです。
個人差はありますが、矯正を始めたばかりの方や、
これから始めたい!と思っている方もぜひ参考にしてみて下さい。
目次
矯正をはじめてどれくらいで変化が分かる?
元々の歯並びの状態によって多少個人差はありますが、
矯正装置(ブラケット)を歯に付けてワイヤーを通してから
2~3か月程度で歯が動いていることを実感できるかと思います。
叢生(歯のデコボコ)が多い方程、歯の動きに変化を感じやすいかと思います。
歯並びの状態によっては装置装着後約1ヶ月目から変化を実感できるでしょう。
歯はどうやって動くの?
歯は骨の中に浮かんでいるような状態なのです。
歯には、噛む力や舌・くちびるなどから力が加わっています。
歯はこれらの力を受けて、毎日わずかに動いています。
現在の歯の位置は、これらの力の調和がとれた位置に、歯がとまって見えているだけなのです。
歯ぐきの中には歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる歯を支える骨があります。
さらに、歯槽骨と歯の根っこの間には歯根膜(しこんまく)という弾力のある薄い膜があります。
歯根膜は、歯にかかる衝撃をやわらげるクッションのような役割を持っています
矯正装置を使用して歯を引っ張って動かし始めると、その力が歯根膜に伝わります。
歯が動く方向側の歯根膜は縮み、反対側は引っ張られて伸びます。
縮んだ歯根膜は元の厚さに戻ろうとして、骨を溶かす細胞をつくり、
動く方向側の骨を溶かします。これを骨吸収といいます。
一方、伸びた歯根膜は元の厚さに戻ろうとして骨を作る細胞をつくり、
反対側に骨を新しく作ります。これを骨形成といいます。
骨を溶かす細胞と骨を作る細胞のはたらきで、歯根膜がもとの厚さにもどります。
骨吸収と骨形成が繰り返されることで、歯は少しずつ移動し歯並びが整っていきます。
痛みはあるの?
歯に持続的な力が加わり、歯が動き始める頃が最も痛みを伴うことが多いです。
ワイヤー矯正でしたら調整の処置をしてから2~3日が痛みのピークです。
マウスピースでしたらマウスピースを新しいものに交換した1~2日程度です。
痛みは時間経過(1週間程度)とともに徐々に緩和していきます。
痛みの対策は?
①硬い食べ物を避ける
軟らかいご飯、豆腐料理、茶わん蒸し、煮込みうどんなど柔らかく太めの麺類、
柔らかく煮込んだ煮物、味噌汁、スープ、ヨーグルト、ゼリー、プリン
などが痛みが強いときにお勧めの食べ物です。
➁お口の中を冷やす
歯が動いていることによって感じる痛みには、お口の中を冷やすことも有効です。
氷をお口に含んだり、アイスを食べたりすると痛みが緩和します。
お風呂上りや寝る前など、身体が温まると痛みがでやすいので、
そのような時は特に有効です。ただ冷やしすぎは気を付けましょう。
③痛みが辛い場合は、歯科医師に相談してみましょう
辛い場合は我慢せず歯科医師や、歯科衛生士に相談しましょう。
歯ならび肌管理クリニックでは痛みが出やすい歯の部分や、
歯の動きから今後起こりうるお口の中の違和感などを事前に細かく説明するようにしています。
痛みが伴う矯正治療では、患者さんには安心して治療に臨んでいただくことが重要だと思っております。
歯が動くスピード
歯が動くスピードは1か月に0.5~1ミリ程度が目安
やみくもに強い力を加えたからといって、歯は早く動くというわけではありません。
歯に必要以上の力をかければ場合によっては、
歯根や周囲の骨に大きなダメージを与えてしまうこともあります。
歯や周囲の組織に負担をかけずに、人間の体が持つ自然のペースで歯を動かしていくことが大切です。
歯が動きやすいのはどんな人?
子どもの場合は、口の中の組織も成長過程で、
少しの力で歯や骨に影響が与えられるので、歯が動きやすいです。
また、体の新陳代謝が活発な人も、歯が動きやすいと考えられます。
体の組織の代謝が活発に行われていると、
この歯槽骨が変化するスピードも速い傾向にあるため、
短期間で歯並びの変化がみられる可能性が高いです。
反対に…舌癖(舌を前に押し出す癖)・食いしばりのクセがあるとなかなか矯正が進まないこともあります( ノД`)
★舌を前に押し出す癖がある方
★食いしばり・噛み締めの癖がある方
★噛む力の強い方
これらに当てはまる方は、矯正による力を相殺し、歯が動きにくい場合があります。
歯の動きの種類
歯の移動を細分化すると、次の6種類の移動があると言われています。
実際にはこれらの動きを組み合わせながら、歯の移動は進んでいきます。
①傾斜移動
軸(しじく・歯の傾き)が傾斜するように移動することです。
歯冠に水平方向の矯正力を加えると、単根歯(たんこんし・歯の根っこが1本の歯)は歯根の根尖側1/3を回転中心として、
大臼歯(奥歯のこと)は根分岐部(歯の根っこの分かれ目)を回転中心として傾斜します。
力が局所に加わるため、比較的弱い力で歯の移動をすることができます。前歯の矯正などでよく使われます。
②歯体移動
歯が傾斜することなく平行に移動することです。
移動方向の歯根膜全体に力が分散されるので、傾斜移動よりも移動には強い力が必要になります。歯と歯の隙間をなくしたり、歯列全体を後ろに移動させる時などに用いられます。
③挺出
歯の長軸に沿って、歯が歯槽から抜け出る方向へ歯軸に沿って移動することです。
歯根膜全体が牽引側となるため、比較的弱い矯正力での移動が可能になります。歯茎に埋もれてしまっている歯を正しい位置に戻すために使われます。
④圧下
歯が歯槽に食い込む方向へ歯軸に沿って移動することです。挺出とは逆の動きになります。
歯根膜全体が圧迫側となるため、歯の移動の中でもっとも起こりにくく、強い矯正力が必要となります。出っ歯や、笑った時に歯茎が見えすぎるガミースマイルの改善などに用いられます。
⑤回転
歯の長軸を中心として回り、捻転している状態を改善する移動です。
歯根膜のほかに隣接歯を連結する中隔横断線維も伸展されるため、後戻りが生じやすくなります。
⑥トルク
歯冠部に回転中心をおいて、歯根を頬舌的に傾斜移動させる移動です。噛み合わせの調整や、矯正後の後戻り防止のために使われます。
これらの動きを適切に組み合わせることで、歯並びや噛み合わせを理想的な状態に近づけることができます。
治療を少しでも早く終わらせるポイント
☆マウスピース矯正
・装着時間を守る
・しっかりフィッティングさせる
・ATM等の脱離がないか
・ゴムかけがある方は毎日決められた時間やる
☆ワイヤー矯正
・1ケ月に一回しっかり調整にくる
・脱離等あれば早めに付け直しに行く
・ゴムかけがある方は毎日決められた時間やる
矯正装置(特にワイヤー治療)は歯みがきがしにくくなるため、
虫歯ができてしまうことがあります。
虫歯の大きさによっては矯正治療を中断して虫歯治療を優先させる必要があるため、
当初の計画よりも治療が長引いてしまうかもしれません。
治療中は特に丁寧に歯みがきして虫歯予防を意識しましょう。
当院では3Dスキャナーを使ってお口の中をスキャンし、
それをもとにパソコン上で3Dでみることができます。
抜歯をするパターン、しないパターンなどのbefore・Afterを診断の段階で
はじめに見ていただくことができ、それによって矯正後の歯並びをイメージしやすくなります。
まずは相談だけでも大丈夫ですのでカウンセリングにいらしてください。
☆検査内容☆
・3Dスキャナーで口腔内スキャン
・印象採得
・レントゲン三枚 (CT、セファロ、パノラマ)
お時間約30~40分ほどで検査可能です!