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投稿日:2022.7.1

受け口は矯正で治る?

今回は反対咬合いわゆる【受け口】についてお話いたします。
受け口は下の顎が上の顎よりも前に突き出している歯並びのことを言います。

受け口になる原因

受け口の原因は大きく分けて「歯に由来しているもの」と「骨格に由来しているもの」があり
ます。
歯に由来している場合には、歯並びを整えることで受け口が改善します。
骨格に由来している場合には、歯並びの改善だけでは改善が難しいケースもあり、その場合に
は外科矯正も必要になることがあります

①遺伝

歯の大きさや顎の大きさなどは遺伝します。
そのため、両親のどちらかが受け口の場合には、遺伝する可能性があります。
日本人は顎が小さい傾向にあるため、歯並びがガタガタになりやすいと考えられています。

②悪習癖

●口呼吸

通常は、鼻で呼吸をする鼻呼吸が正しいのですが、口が閉じにくい場合など
口で呼吸する「口呼吸」になってしまうことがあります。
口呼吸は、口が開いたままになるため、唇からの圧がかかりません。
歯並びは唇を閉じることでバランスを保っていますが、口が開きっぱなしになると、
歯並びが乱れてくる場合があります。
また、唾液には、細菌を洗い流す優秀な働きがありますが、
口呼吸をしていると唾液が少なくなってしまいます。
そうすると、細菌が増殖しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

●頬杖

学校や職場などで無意識に頬杖をついていませんか?
めずらしいくせではありませんが、同じ方向から力がかかり続けるため、習慣になっていると
歯並びが悪くなったり、噛み合わせのバランスが崩れてしまったりする場合があります。

●同じ方ばかりで噛む

噛み合わせのバランスを整えるためには、左右バランス良く噛むことが大切です。
ただし、噛み合わせの不正などでどちらか噛みにくい時には、偏った方ばかりで噛んでしまいがちです。
また、虫歯などの不具合があると、その場所を避けて噛むようになるので、
バランスが悪くなりやすいです。
お口のバランスを整えるためには、左右バランス良く噛んで食事をするようにしましょう。

●舌で歯を押すくせ

お子さんに多いのですが、舌を前に出して歯を押すくせがある場合があります。
習慣的に力がかかり続けると、歯並びが悪くなってしまう悪習癖です。

●柔らかい物ばかり食べる

しっかり噛む習慣は、顎の骨の発達を促します。
しかし、ファストフードなどやわらかい物ばかり食べる習慣があると、顎の発達が十分に促さ
れず、歯並びが悪くなってしまう可能性があります。
しっかり噛むためには、バランスの良い食事を心がけ、和食などの根菜類が多い食事を心がけ
ましょう。

上記等の理由により受け口になることがあります。

受け口は矯正で治るのか

さて、受け口でお悩みの方が一番気になるのは、矯正治療だけで治るのか?ということではないでしょうか。
そもそも受け口は「骨格」によるものと「歯並び」によるものがございます。
歯並びが原因で受け口になっている場合は、矯正治療のみで治る可能性は高いです。
しかし逆を言うと、骨格性の場合は外科治療が必要になる可能性がございます。
矯正治療はあくまでも歯を動かして歯並びや咬み合わせを整える治療です。
骨格を変えるわけではないので、骨格そのものに原因がある場合は改善が難しい場合もございます。

受け口の矯正治療方法

・ワイヤー矯正

表側矯正

ラビアル 表側矯正

歯の表面にブラケットをつけて、ワイヤーを通して、適切な力をかけて歯を動かす方法です。
歴史のある方法で、多くの矯正歯科で対応しています。
以前は、金属の装置が目立ってしまうことがありましたが、白や透明の審美ブラケットや
審美ワイヤーが選択できるようになって、矯正中の装置の見た目が分かりにくくなりました。
表側矯正は、対応している歯並びが多い特徴もあります。

裏側矯正

リンガル 裏側矯正

裏側矯正は、歯の裏側に装置をつけるため、矯正装置がほとんど見えません。
矯正中の装置の見た目が気になっている方におすすめの方法です。
また、内側に歯を移動しやすいため、受け口や出っ歯などの歯並びに向いている矯正穂違
法です。

マウスピース矯正

マウスピース矯正 MP矯正

患者さまのお口に合わせて、マウスピースを作製し、段階的に形の違うマウスピースに交
換することで歯を動かす方法です。
透明のマウスピースを使用するため、見た目がほとんど分かりにくい特徴があります。
また、取り外しができるため、食事や歯磨きなども今まで通り行うことができます。
ただし、1日20~22時間の装着が必要なため、歯磨きや食事以外の時間は装着する必要が
あるのですが、外している時間が長くなってしまうと治療計画通りに歯が動かない可能性
があります。

受け口は歯列矯正のみで治せるのか?

痛み 顎

受け口の状態が軽度~中程度の場合は歯列矯正での改善が期待できます。
しかし重度の受け口の場合は骨格異常を生じているケースが多いので、歯列矯正と外
科手術の組み合わせが必要になるでしょう。

外科手術となるとお仕事や学校を数日~数週間休まないといけないことや、高額治療
であることから治療へのハードルが高いと思います。
歯列矯正よりも身近な治療ではないので懸念点が多いですが、骨格に問題がある場合
は根本的に改善しないと噛み合わせの改善と、十分な見た目の変化は見込まれません

□矯正治療で治す場合

ワイヤー 矯正

歯の位置や生え方を歯列矯正で綺麗に並べることで、上下顎の歯並びのバランスが整
い、正常な噛み合わせが期待できます。

また、顎の成長段階のお子様の治療には、顎の成長を促す拡大装置を使用することで
永久歯は並ぶスペースが確保でき、上下顎のバランスが整うので受け口の改善が見込
まれます。

上顎は10歳ごろには80%完成するので、早めに治療を受けないと手遅れになる場合が
あります。
下顎は思春期頃に成長のピークを迎えますが、上顎が正しく成長していると下顎も上
顎に合わせて成長するので、まずは上顎の成長過程でコントロールすることが重要で
す。

子供の内は癖で下顎を前に出したりする子もいるので、正常か異常の判断が難しい場
合もあります。

しかし適齢期に治療を受けなければ身体の成長と共に下顎が大きくなり、受け口が悪
化することがあります。

そうなると外科手術の可能性が高くなるので、負担を軽減するには小児矯正で顎を広
げることが1番です。
子供の時期にしかできない治療なので、噛み合わせが気になる場合は早めに相談に行
きましょう。

□外科手術で治す場合

外科 手術

受け口の手術方法は主に3つあり、状態に応じて選択します。

1)下顎枝矢状分割法

下顎の両側奥歯の奥をカットし、歯が並んでいる部分(下顎体)とエラ部分(下顎枝)と切
り離します。
下顎体を後方に下げて下顎体と下顎枝をボルトで固定します

2)下顎枝垂直骨切り術

下顎枝を縦にカットし、下顎を後方に下げたり、左右に移動することができるので、
顎関節症や顔の歪みも改善できます。

3)下顎前歯部歯槽骨切り術

両側の前から4番目の歯と骨の一部分を取り除き、開いたスペースを後方に下げてチ
タンプレートで固定します。

外科手術は全身麻酔下で行いますが、術後は痛みや腫れを伴い、2週間ほどダウンタイ
ムが発生します。
手術の前後は不安や恐怖による精神的ストレスが大きいと思いますが、それ以上に手
術を受けるメリットが多いです。
・正常な噛み合わせと歯並びになり、顔のバランスが整うので顔貌の変化が大きい
・コンプレックスの解消に繋がる
・虫歯や歯周病・顎関節症のリスクが軽減できる
・手術は口腔内から行うので、手術痕は残らない
・発音が明瞭になる
・よく噛むことができる
・食べすぎや消化不良の予防に繋がる

受け口の放置は本当に身体の負担が大きいので、できるだけ早い段階で治療すること
が、ご自身を守ることになります。

一時の不安よりも一生の健康を重視して、受け口の治療を始めましょう。

受け口が気になる方はいつでもお気軽にお問合せください。

 

自分の反対咬合は矯正で治るの?

上記でざっくりご説明いたしましたが、「じゃあ自分の歯並びは骨格性なの?それとも歯が原因なの?」
というところは、なかなかご自身では判断がしにくいかと思います。
実際CT・レントゲンを撮影しますと、より詳しい治療方法などご案内することが出来ます。
コンプレックスに感じていたらそのままにせず、是非カウンセリングにいらしてください^^

 

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